【コラム】青年失業?狭い韓国で競争せず国外に出よ(1)
ⓒ韓国経済新聞/中央日報日本語版2016.08.08 13:11
「明け方に家を出る時に妻がごはんとおかず、チゲの具材を洋銀の鍋に入れてくれます。それを車に乗せて営業に行き、お腹がすいたら景色の良い国道沿いの陰に車を止めます。ワゴン車のドアを開けっ放しにして演歌を大音量でかけます。それからバーナーに火をつけてチゲを温めます。「妻が私をこんなに愛しているんだな」と1人でのろけた後にごはんを食べます。おいしいです。しんどい営業もそれほど幸せにはなれませんでした」。
アルコグループの朴都奉(パク・トボン)会長(56)は得意げだ。この話ではおのずと肩が揺れる。成功した企業家のオーラが感じられる。しかし彼は涙に濡れたパンを食べた、いまや徐々に消え去ろうとしている自力で財を成した企業家の典型だ。忠清南道(チュンチョンナムド)の錦山(クムサン)に生まれ大田(テジョン)商業高校、牧園(モクウォン)大学商業教育科を卒業し、1988年にチャンアン総合熱処理という会社を創業した。2002年に東洋鋼鉄を買収した後に会社名をアルコ(アルミニウムコリア)に変え現在に至っている。
彼は「土のスプーン」が成功するのが難しくなる社会で依然として土のスプーンにはさらに希望があると固執している。そんな彼が最近『現場人文学』という本を出した。