中国共産党の劉雲山政治局常務委員が「中国と韓国が安重根（アン・ジュングン）義士の映画を共同制作できるよう積極的に支援する」という立場を明らかにした。

劉委員は２４日午前、人民大会堂で李錫玄（イ・ソクヒョン）国会副議長ら９人の韓国超党派議員と李世基（イ・セギ）韓中親善協会会長に会った席で、「安義士（抗日闘争）を中国と韓国にもっと知らせる必要がある」とし、このように述べた。中国最高指導部が安義士の映画に関する発言をしたのは初めて。

これに先立ち韓中親善協会は３月、安義士の祖国愛と東洋平和思想を紹介する映画を共同で製作することにし、その間、準備作業を行ってきた。韓国側は中国の「国民監督」チャン・イーモウ（張芸謀）監督側に参加の意志を打診している。劉委員が映画製作に対する積極的に支持方針を明らかにしたことで、今後、俳優のキャスティングなど作業に弾みがつくとみられる。劉委員は党序列５位だが、中央書記局書記（青瓦台の秘書室長格）と言論、人事を担当する組織部まで掌握し、事実上、習近平国家主席に次いで権力を持つ。

また、この日の会談では、両国政党間の交流を活性化・制度化することにした。これに関し、李錫玄（イ・ソクヒョン）副議長は「与党と野党を分離して交流する方式を話し、中国側がこれを積極的に検討するという立場を見せた」と明らかにした。

劉委員はアジア競技大会に関し、「北朝鮮が参加するのは（南北の緊張緩和に）よいことであり、（いくつか問題はあるが）韓国側が忍耐心を持って北朝鮮に対応していくことを望む」と述べた。

これに先立ち、中国の張業遂外務次官は２３日、李副議長の一行に会い、「北朝鮮は対話をする時、核の高度化など挑発をしなかった」とし「米国が要求する６カ国協議の敷居はあまりにも高い。北朝鮮に非核化の意志を先に要求するが、これは対話もせずに結果を要求する格好だ」と不満を表した。続いて「中国は北朝鮮の核実験など挑発を防ぐために最善を尽くしている」と強調した。

李副議長の一行は２２日、王家瑞共産党対外連絡部長に会って双方の関心事について議論し、この席で王部長は「最近、北朝鮮は経済に相当な関心を持っているが、これは幸いだ」と述べた。