【社説】アルファ碁ショック、肯定的エネルギーとして活用しよう(2)
ⓒ韓国経済新聞/中央日報日本語版2016.03.13 13:12
2014年『超知能』を書いた英オックスフォード大学哲学教授のニック・ボストロムは「来世紀には人間の能力を上回る機械が登場するだろう」と予想した。囲碁のように限定された分野でなく、普遍的に人間の認知・判断能力を凌駕する一般知能が急速に発展するだろうという話だ。これは人間に多層的で多面的な宿題を抱かせる。人間らしさに対する哲学的質問、人間と機械の関係、AIに任せる領域の幅と深さに対する議論が大きくなるだろう。雇用と教育、政治、社会構造に及ぼす影響も小さくない。
過剰反応と拡大解釈、悲観と楽観が交錯するのもこのためだ。映画『ターミネーター』のように人間が機械に支配されるという悲観論、李世ドルでなく中国最強者である柯潔もアルファ碁に負けるという機械万能論、ネットワークで武装したAIと1人の対局が当初から不公正ゲームだったという現実否定論まで出てくる。生半可で非理性的な主張が多いがひとつは明らかだ。AIに対する大衆の認識が新しくなり関心が大きくなったという点だ。こうした面でアルファ碁ショックは必ずしも否定的なのではない。