【社説】こんな対策でMERS事態の再発防げるのか=韓国

【社説】こんな対策でMERS事態の再発防げるのか=韓国

2015年09月02日10時45分
[ⓒ 中央日報/中央日報日本語版]
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  韓国政府が1日、中東呼吸器症候群(MERS)の後続対策を発表した。疾病管理本部長を次官級に格上げし、感染病発生時に中央指揮統制権を持つようにすることが骨子だ。MERS事態の時に防疫を指揮するコントロールタワーがおらず被害が大きくなったという指摘を受け入れたものだ。政府はまた300床以上の総合病院は陰圧病室の設置を義務化し、疫学調査官を毎年20人以上選ぶことにした。

  だが今回出したMERS対策は、根本的な改善策が抜け落ちていて「中途半端」だ。まず疾病管理本部長だけを次官級に上げても力をつけるのは難しい。本部長に最大限の人事・予算権を与えるというが明文化されておらず、守られるという保障がない。感染病を防ぐには検疫・疫学調査・隔離・治療はもちろんほかの行政部署・地方自治体と調整する能力も重要だ。今回のMERS事態の時に疾病管理本部長は何の存在感も発揮できなかった。次官に格上げしたからといって強力なリーダーシップは期待しにくいという話だ。疾病管理本部を保健福祉部の傘下にそのまま置いても保健分野を担当する複数次官制を導入する案を積極的に検討するべきだった。大韓医師協会など医療界は、MERS事態の対応が失敗した原因として保健福祉部の福祉偏向性の問題を指摘したことがある。保健福祉部の今年の予算53兆4000億ウォンのうち保健医療予算は4%(2兆2793億ウォン)に過ぎない。こうした状況で防疫・病院感染管理など公共医療への投資はまともに行われない。重症急性呼吸器症候群(新型肺炎、SARS)事態の時も、政府は陰圧病室を大幅に増やすと発表したが、予算の後押しがなくてうやむやになった。

  政府は今回、大型総合病院の陰圧病室の設置を義務化したが、赤字保全などの支援対策は目につかない。感染病拡散の原因になった病院応急室・集中治療室・大部屋病室の劣悪な環境を変えるための根本的な改善策も見えない。大型病院の応急室はすでに飽和状態だ。上位20の病院のベッド数対比患者数である過密化指数は131に達する。応急室の1日の入院の健康保険報酬が55万4840ウォンで、5人の入院病室報酬(7万1290ウォン)よりも低い。集中治療室1日の入院料も14万ウォンで米国(160万ウォン)はもちろん韓国と医療体系が似ている日本(117万ウォン)よりもはるかに少ない。低い医療点数を維持しようとすれば、全国の大学病院病室の中で5~6人部屋の比重が40%を超える。こうした「ドテギ市場(雑多なものが入り乱れて売られている市場)」のような病院環境を放置していたら、病気を治すはずの病院がかえって病気をまき散らす温床になる。

  政府は、6人部屋を4人部屋中心に変えて応急室内の感染病患者の選別診療を義務化するなどの改善策を出したのがすべてだ。最大18人部屋まで運営する療養病院・中小病院に対する対策は全くない。ソウル市の反対で、院趾洞(ウォンジドン)への移転が壁にぶつかった国立中央医療院の建設も至急解決しなければならない問題だ。この程度の対策ではまた別の感染病拡散を防ぎがたい。感染病に脆弱な韓国の医療システムに対する根本的で大々的な手術が必要だ。
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