【コラム】悲しいが北朝鮮は簡単には滅びない(1)
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2015.10.19 13:13
この30年間に世界で起きたことのうちひとつ目立ったのは民主主義国の数が急速に増えたという点だ。1980年代の南欧で始まった民主化の波はラテンアメリカと東アジアに広まった。また、この波はソ連・東欧圏の崩壊を促進しただけでなく、アフリカでさらに民主主義的な統治を進展させた。だが、民主化の波は最高潮に達した後停滞状態だ。韓国は辛い教訓を得た。独裁・権威主義政権は驚くほど生命力がある。独裁者の生存秘法は何だろうか。
標準的な解釈は独裁体制が一次的に抑圧と暴力を通じて生き残るということだ。だが、実際の事例を調べればそのようなケースは多くない。権威主義指導者は自分たちの権力の座を守るために理念、民族主義、物質的な補償、不正選挙など多様な戦術を駆使する。
朝鮮労働党創立70周年を迎え金正恩(キム・ジョンウン)が軍事パレードで行った演説を見れば彼は少なくとも当分は権力を維持できる新たな統治方式を展開するものとみられる。西欧メディアの報道は金正恩の誇張と表向きだけ賑やかな修辞に焦点を合わせた。こんなスタイルの見出しがヘッドラインを飾った。「金正恩はいかなる威嚇にも対抗するだろう」「北朝鮮は米帝国主義と戦争する準備ができている」などなど。もちろん金正恩の演説には北朝鮮軍に対する敬意の表示が含まれた。また、労働党が生き残ったことは軍と保安機関のおかげということも確実にした。