文大統領「北の米国非難は戦略…実務交渉、長くかかるだろう」
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2018.07.13 08:30
韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領は12日(現地時間)、「米朝間の交渉が正常な軌道に入った」とし、韓半島(朝鮮半島)非核化と平和体制の定着に対して肯定的な見通しを述べた。文大統領はこの日、 シンガポールのリー・シェンロン首相との首脳会談で「誰も結果を楽観することはできないが、北朝鮮が完全な非核化を履行し、北朝鮮の安全保障のために国際社会が努力を集めていくなら、米朝交渉は十分成功することができると用心深く展望している」と述べたと青瓦台(チョンワデ、大統領府)の尹永燦(ユン・ヨンチャン)国民疎通首席が伝えた。文大統領は特に「北朝鮮がこれまで話してきた非核化と、韓米が話してきた非核化の概念が同じではないのではないかと思う部分もあったが、マイク・ポンペオ長官の訪朝で非核化の概念に違いがないということが確認された」と述べた。これまで、国際社会はCVID(完全かつ検証可能で不可逆的な非核化)を要求する米国の立場とは違い、北朝鮮が核凍結水準の非核化を念頭に置いているのではないかとの見方が提起されてきた。
文大統領は、今月6日ポンペオ国務長官の3回目の訪朝で具体的な成果を出すことができなかった状況についても言及した。文大統領は「米朝首脳間合意はうまくいったが、具体的な実行計画づくりに向けた実務交渉は順調ではない部分もあり、時間が長くかかるだろう」としながら「それを象徴的に示したのがマイク・ポンペオ長官の訪朝結果だった」と述べた。文大統領は引き続き「評価は交錯しているが、私は(米朝実務交渉が)正常過程に入り、具体的な実務交渉が本格的に始まったとみている」として米朝間の異見を「戦略」の側面から説明した。文大統領は「北朝鮮が外務省の談話を通じて米国を非難したが、内容を見ると、自身は誠意を尽くして実質的措置を取っているのに米国が相応の措置を講じていないという不平」としながら「これは交渉過程で十分にありえる戦略」と評価した。
文大統領は北朝鮮が望んでいる相応の措置に関連しては「過去のような制裁緩和や経済的補償ではなく、敵対関係の終息と信頼の構築」としながら「これは北朝鮮の過去の交渉態度とは大きな違いがある」と強調した。文大統領は首脳会談直後、リー首相とともに開催した共同メディア発表でも「ちょうど1カ月前の今日(6月12日)、歴史的な米朝首脳会談がシンガポールで開催された」とし「韓半島平和の新たな時代を開くためにリー首相とシンガポール国民が大きな力を加えてくれた」と述べた。文大統領は引き続き「(シンガポールと)領域内の平和・安定のために共助を強化していくことで一致した」とし「我々の協力範囲は海洋安保、サイバー安保、環境など非伝統的安保分野まで拡大するだろう」と述べた。