エリオット、韓国政府を相手に6億7000万ドルのISD訴訟現実化

エリオット、韓国政府を相手に6億7000万ドルのISD訴訟現実化

2018年07月13日08時06分
[ⓒ 中央日報/中央日報日本語版]
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  12日0時を期して米ヘッジファンド「エリオット・マネジメント」(エリオット)がいつでも韓国政府を相手に6億7000万ドル(約7500億ウォン)規模の投資家・国家間訴訟(ISD)を請求できるようになった。4月13日にエリオットが法務部に仲裁意向書を提出した後、韓国政府とエリオット間の交渉が仲裁期間(90日)に妥結しなかったからだ。

  この日、法務部の関係者は「エリオットの訴訟提起は現実化したと見ればよい」と明らかにした。エリオット側の関係者は「自由貿易協定(FTA)規定を違反しただけでなく、韓国検察の起訴、最近の裁判所の判決でも見ることができるように、当時の決定は明白な前近代的な政経癒着行為」とし「エリオットが韓国政府の誤った決定で生じた損害の補償を受けるのは当然」と述べた。特にエリオットは2年前に朴英洙(パク・ヨンス)特別検察官チームと検察が朴槿恵(パク・クネ)前大統領など以前の政府関係者を職権乱用容疑で起訴した事実をISD訴訟状で取り上げることにした。

  エリオットのISD訴訟案件は、2013年7月の第一毛織とサムスン物産の合併当時、エリオットなど外国人投資家が差別待遇を受けたかどうかだ。5年前にサムスン物産の株主だったエリオットが株主権を行使する過程で朴槿恵前大統領、文亨杓(ムン・ヒョンピョ)元保健福祉部長官、洪完善(ホン・ワンソン)元国民年金基金運用本部長など政府関係者がサムスンに有利な決定をするなど、韓米FTA協定文にある「内国人同一待遇条項」を違反したというのがエリオットの提訴理由だ。

  韓国政府とエリオット側は先月中旬に画像会議を一度開いたが、双方の立場は激しく対立した。最近、米国の利上げ措置でドルが1ドル=1120ウォン台まで上がり、エリオットの請求金額は3カ月前に比べて3000億ウォン(約300億円)ほど増えた。政府関係者は「エリオットが要求した被害補償金額をどうやって受け入れるのか」とし「天文学的な金額であるだけに、ひとまず国民の血税が入るのを防ぐためにも政府は最善を尽くすしかない状況」と説明した。

  今回の事件が世界銀行傘下の投資紛争解決国際センター(ICSID)に公式的に提訴される場合、朴前大統領などを起訴した検察と朴英洙(パク・ヨンス)特検チームの相当数が米ニューヨークで開かれるISD裁判に証人として出席しなければならない見通しだ。3年前の2015年5月、ローンスターと韓国政府間のISD初審理が行われた当時、韓悳洙(ハン・ドクス)元経済副首相、金錫東(キム・ソクドン)元金融委員長、権泰信(クォン・テシン)元首相室長など韓国経済官僚はニューヨーク世界銀行傘下のICSID法廷で証言しなければならなかった。これに先立ちローンスターは韓国政府が外換銀行の売却手続きを遅延させて不当に課税し、46億7900万ドルの損失が生じたとして2012年11月にICSIDに仲裁を申請した。

  国内の国際紛争専門家キム・ドゥシク「世宗」代表弁護士は「ISDで敗訴を避けるためには現在争点として登場した決定に加わった検事、国民年金関係者の大半が法廷に証人として出席しなければならないだろう」と説明した。朴英洙特検チームで捜査チーム長を務めた尹錫悦(ユン・ソクヨン)ソウル中央地剣長、特検で勤務した韓東勲(ハン・ドンフン)ソウル中央地検第3次長がICSID法廷でどんな陳述をするかによってISDの勝敗が決まる可能性があるということだ。

  国際紛争業界によると、能力のある仲裁人を選定するほどISD本案訴訟で勝訴する可能性が高まる。もちろん勝訴率が高い仲裁人であるほど要求するペイ(支払い金額)は高いという。韓国政府もエリオットの攻勢に対応するため英国系ローファーム「フレッシュフィールズ・ブルックハウス・デリンガー」などグローバル市場で名前が知らされた国際紛争ローファームを法律代理人に選定した。フレッシュフィールズと韓国政府の間で懸け橋の役割をする国内法律代理人には法務法人「クァンジャン」が法務部の入札で選ばれた。

  国際紛争分野で十数年間勤務しているある弁護士は「『銃声のない戦争』と呼ばれる国際通商紛争市場で韓国政府が扱うには非常に厄介な相手でラインナップが構成された」とし「韓国国籍の立場では今後どんな結論が出てくるのか非常に心配」と話した。エリオットの法律代理人には英国系法務法人「スリークラウン」が首席弁護人を引き受け、米国連邦検事を務めたマイケル・キム代表が率いる米ローファーム「コブレ&キム」、国際紛争専門ローファーム「KLパートナーズ」が名を連ねた。

  KLパートナーズのキム・ボムス弁護士は1990年代から韓国で国際紛争など通商業務を開拓した「先駆者的人物」に挙げられる。キム弁護士は法務法人世宗に在職中だった2012年、韓国政府と米国私募ファンドローンスター間のISD訴訟でローンスター側の法律代理人を引き受けた。

  訴訟規模だけで5兆5000億ウォンにのぼるローンスターのISD訴訟は2016年6月に最終弁論まで終えたが、2年間も結果が出ていない。別の通商分野専門弁護士は「海外で働いている弁護士の言葉を借りて話すなら、韓国政府が敗訴する可能性が高いというのが定説」と述べた。国民が納付した税金の多くがローンスターに被害補償金額として支払われる可能性があるということだ。政府はローンスターISDに今まで400億ウォン(約40億円)以上の予算を投入したと伝えられている。

  さらに韓国政府は先月、イランのダヤニが起こした730億ウォン規模のISD裁判で敗訴した。エリオットだけでなく米ヘッジファンドのメイソンキャピタルもサムスン物産の合併に関連して韓国政府に1億7500万ドル規模の被害補償を要求し、ISD仲裁意向書を提出した。金正湜(キム・ジョンシク)元韓国経済学会長(延世大経済学科教授)は「トランプ政権の『レーガン式貿易戦争』が現実化する状況で、韓国が通商問題で最悪の状況に直面したようだ」とし「経済のためにはいかなる措置もためらってはいけない時」と指摘した。
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