【コラム】100円の人生だとしても
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2016.06.20 13:20
職業、なし。ボーイフレンド、なし。夢は、もちろんない。16日に封切りした日本の映画『百円の恋』の主人公の一子(安藤サクラ扮)は専門大学を卒業後、仕事を探すつもりもなく弁当屋を営む母親に頼って暮らす32歳の女だ。くしゃくしゃの髪に襟首がよれたTシャツを着て、いらだった表情でのそのそと歩く。熱中するのは小学生の甥っ子とのゲームだけ。自分に関心がない世の中と、そんな世の中に愛を求めないという放棄がつくり出した気力の失せた人生を過ごしていた一子。ある日離婚して家に戻ってきた妹と髪のつかみ合いの喧嘩をして腹立ちまぎれに家を飛び出す。
やむを得ず独立したが、できることはない。100円ショップで深夜のアルバイトを始める。「100円、100円、100円生活、安いです、安いです、何でも安いです!」という歌がいつも流れている所。そのうちに店でバナナを買うボクサーの狩野(新井浩文)に興味を持つことになり、彼を見るためにジムを訪れて「ダイエットしに来たのか」という会長の誤解でボクシングを始めることになるという内容。