【時視各角】理由もわからず切られるCEO=韓国(2)
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2015.03.26 13:29
申斉潤だけの話なのか。過去の金融委員長も変わらなかった。金融委員会の前身の金融監督委員会は1997年に通貨危機に襲われ国民全員が血を吐いて反省し、さらに反省して作った組織だ。「権力が圧力を加え不良大企業に銀行の資金をばらまいたせいで危機が来た。だから権力から自由な金融監督機関を作ろう」。金融監督委員長の任期3年を別に法律を作って保障した理由だ。ところが結果はどうだったか。初代李憲宰(イ・ホンジェ)委員長からして任期を満たせなかった。2代目の李容根(イ・ヨングン)委員長はさらに7カ月で更迭された。その後は任期を満たせないことが正常になるほどだった。
任期保障は長官やCEOのリーダーシップの源だ。いつ切られるかもわからない金融トップの話が市場で受け入れられるはずがない。朴槿恵(パク・クネ)大統領と崔ギョン煥(チェ・ギョンファン)経済副首相は時間さえできれば「金融改革」を注文する。「金融が保身主義にはまった」として叱りつけた。言葉は正しい。だが、前後が間違いだ。保身主義は身辺に脅威を感じる時にさらに強引になるものだ。大統領と副首相は「金融が故障した。改革せよ」と叱り飛ばす前に、「金融委員長の任期を保障する」という話からしなければならない。トップのリーダーシップが揺れるのに何の改革ができるか。