「金正日の影武者」が見た金正恩…「対話提案は文政権を防壁に」

「金正日の影武者」が見た金正恩…「対話提案は文政権を防壁に」

2018年01月03日16時23分
[ⓒ 中央日報/中央日報日本語版]
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南北会談専門家の金達述(キム・ダルスル)元南北会談事務局常勤研究委員(中央フォト)
  「北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)労働党委員長は若いからといって軽視してはいけないようだ」。

  北朝鮮最高指導者の専門家、金達述(キム・ダルスル)氏(88)の金正恩委員長に対する評価だ。金氏は2000年の南北首脳会談を控えて開かれた模擬首脳会談で、金大中(キム・デジュン)前大統領の相手役として金正日(キム・ジョンイル)総書記(2011年死去)の役割、すなわち「影武者」となった人物だ。金氏は情報機関と統一部会談事務局で30年以上にわたり金日成(キム・イルソン)主席・金正日総書記を研究した。普段から金正日総書記のように考え、話し、表情をつくり、行動するよう訓練を受けた。金氏は今でも金正恩委員長の立場で考えるクセが残っているという。

  金氏は中央日報との電話で「金正恩委員長は自分をカリスマを築くために誰も許さない姿が金日成主席とそっくりだ」とし「復古調のスーツを着て金日成主席を真似るのは、北の住民に拒否感がない金日成主席の郷愁を刺激しようという側面もあるが、本能的には血を受け継いだようだ」と述べた。1日に南北対話を提案し、核ボタンで米国を威嚇したことについては「米国の軍事的攻撃を意識し、文在寅(ムン・ジェイン)政権を間に置いて防壁にした」と分析した。以下は一問一答。

  --金正恩委員長が執権7年目を迎えた。金正恩委員長について評価してほしい。

  「金正恩委員長をあまりにも軽視してはいけないようだ。かなり自分の権威を築くことができる人物だ。軍部の実力者を粛清しながら自分の権威を築き、対南政策をするのを見ると、非常に周到綿密な人物だ。人材の起用や核・ミサイルを活用した対米政策、そして米国が軍事的に動こうとすると文在寅政権を間に挟んで防壁にする姿を見ればよい。非常に戦略的な接近だ」

  --金日成主席、金正日総書記と比較すれば。

  「金正日総書記はパルチザン主義者だ。旧ソ連が崩壊し、東欧が体制転換をし、滅びる状況を迎えた。そのような状況で権力を維持するには軍部を掌握しなければならないため先軍政治で乗り越えた。一方、金正恩委員長は軍部が権力の掌握に邪魔になると、玄永哲(ヒョン・ヨンチョル)氏などの軍の責任者から除去した。叔母の夫(張成沢氏)も見せしめで処刑した。金日成主席と非常に似ている。自分のカリスマを築くためには誰も許さない。金日成主席もそうだった。朴憲永(パク・ホンヨン)、許哥而(ホ・ガイ)の延安派など政敵を粛清するのを見ればそうだ。さらに旧ソ連書記長のフルシチョフも修正主義者だとして戦った。金日成主席の血を受け継いでいるようだ」

  --一部では金日成主席を真似ているという見方がある。

  「北の内部で金日成主席を批判する人はいない。住民であれ、党であれ、軍隊であれ、行政府であれ、金日成主席に対する好感は大変なものだ。誰もが尊敬している。韓国で朴正熙(パク・ジョンヒ)元大統領を尊敬するグループがあるのと同じだ。金日成主席に反対する人はあまりいない。金正恩委員長は明らかにこうした雰囲気を活用しようとする側面がある。復古調を利用するべきだと。金正恩委員長は頭は切れるようだ。甘く見てはいけない人物だ。当初は向こう見ずだと思ったが、今までしてきたことを見ると非常に周到綿密な人物だ。本能的なものがあると見なければいけない」

  --誰かがそばで助けているからではないのか。

  「その可能性もある。ところが本能的に血を受け継いだようだ。金正日総書記が後継者を指定する時、兄(金正哲氏)ではなく弟を選んだ。リーダーシップや普段の行動を参考にしたはずだ。そばで助ける人たちはもちろんいる。叔母の夫もそのような人物の一人だが、1、2年ほど使って首を切った。(最近処罰説が出ている)黄炳瑞(ファン・ビョンソ)も同じだ」

  --権力の掌握ができなかったということか。

  「上層部はすでに掌握した。処刑などあまりにも恐ろしいことをしたので掌握しただろう。しかし統治を長くするには下部構造が安定しなければならず、それは今後をもう少し見る必要がある。問題は経済だ。人民が生活できなければいけない。プレゼント、キャラメル、ビールなども与えるべきだが、それが(金日成主席当時より)うまくいっていない。それで長く続くだろうか。本能的にカリスマがあり頭は良いが、下部構造の掌握がカギだ」

  --今年の南北関係の予想は。

  「金正恩委員長の新年の辞を見て驚いた。金正恩委員長が運転席に座ったということだ。核という強固な『バック』がある。平昌(ピョンチャン)オリンピックに言及したが、米国と平和協定を締結して南側を保護すると言って支援を要求してくる可能性がある。北の主眼点はオリンピック参加でなく、これを通じて韓米連合軍事訓練を中断させることだ」

  --文在寅政権はどう対応すればよいのか。

  「北はそれほど弱腰の相手ではない。北との対話にこだわれば米国との関係がゆがみかねない。南北関係の復元も重要だが、韓米同盟を考慮しながら進めるべきだ。対話は平和のための一つの手段にすぎない。『北が私を利用しようとしている』という考えを持って警戒心を失ってはいけない。何よりも韓半島(朝鮮半島)非核化宣言と南北基本合意書精神を強調し、北が自分たちの始祖と考える金日成主席が合意した内容だという点を集中的に浮き彫りにする必要がある。非核化を優先順位から下ろすことがあってはいけない」
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  • 南北会談専門家の金達述(キム・ダルスル)元南北会談事務局常勤研究委員(中央フォト)
  • 北朝鮮の最高指導者。左から金日成主席、金正日総書記、金正恩労働党委員長。