金大中（キム・デジュン）政権から盧武鉉（ノ・ムヒョン）政権、李明博（イ・ミョンバク）政権に続いて今にいたるまで、韓国政府は経済的な自由を増進させるよりは制限することに熱中してきた。労働市場の柔軟性を落とす労働政策を制度化し、同伴成長と経済民主化という名前で企業の活動を抑制する多くの規制を導入した。

経済的な自由が減れば経済が成長しない最も大きな理由は「企業家精神」が損われるからだ。経済成長の動力は企業家精神であり、企業家精神は経済が自由な時に最も大きく発揮される。フリードリヒ・ハイエクの言葉のように「企業家的洞察力により行動する個人を許容し、そのような行動に補償する社会が、追加的な企業家的洞察力が生産される環境を作る。そして企業家的洞察力はまた別の企業家的洞察力の基礎となり、それらが相互作用しながら経済が成長する」。

韓国が今の厳しい状況から抜け出し、持続的な繁栄の道に入る方法は、経済的な自由を伸長させ、企業家精神が野火のように広がるようにすることだ。このためにまずするべきことは、企業活動を締めつけている数多くの規制を緩和することだ。また、反企業情緒を解消する必要がある。韓国社会には企業と企業家に対する反感や否定的な認識がとりわけ強い。企業活動と企業家に対する反感は、企業家の投資意欲を減退させ、新しい生産方法および技術開発に対する意欲を落とす。それだけでなく有権者の情緒に合わせようとする政治家の属性のため、反企業情緒は企業に対する多くの規制を生む。結局それはまた経済の衰退につながる。

手遅れになる前にアダム・スミスの知恵から国家繁栄の道を探そう。経済的自由を伸張させ、躍動的な韓国をつくろう。そうすれば大韓民国が富強になり、子孫が代々、豊かな良く暮らしができるだろう。そのために国民全員が一緒に努力していこう。

アン・ジェウク慶煕大教授・経済学


【コラム】経済自由指数の下落が鳴らす警鐘＝韓国（１）