【コラム】口を閉じて考えなさい=韓国(1)
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2016.09.27 13:59
放った矢と流れた時間、そして口の外に出した言葉は元に戻らない。気分が悪いとか気に入らないとか、腹が立つからと不用意に言葉を吐いて後悔したことが1回や2回だっただろうか。なぜ私はもう少し言葉について用心できなかったのか。年を取るほどに後悔と自責の念が大きくなる。「慎言」の重要性をもう少し早く悟っていた私の人間関係や生きざまも今とは大いに違っていたことだろう。だが誰を恨むだろうか。
ロシアの作家トルストイが晩年に残した瞑想集『Wise Thoughts for Every Day』を読んで「舌先まで出てきた悪い言葉を吐き出さずに飲み込んでしまうこと、それが世の中で最も良い飲み物だ」という句を発見した。的を得た話に激しい共感を覚えた。「口を閉じて考えなさい」という小見出しがついた瞑想集の一節を引用してみる。