韓国政治に問題が多いという主張に対しては同意できる。しかし外国人の立場で韓国が直面する社会的苦悩を見ると韓国政治は比較的優秀だ。５０年間休まずに成長し社会的変動を経験した条件で価値観の混乱を経るのは当然のことだ。それでも韓国社会が統合を維持するのは驚くべきことで、それは政治が作動するためなのだ。米国は予算案問題で政府が一時閉鎖される状況だが党利党略的闘争を続けている。欧州の政治は無気力症に陥り批判を受けており、日本の政治は世襲主義の問題が激しい。中国は民主主義がまだ到来しておらず、開発途上国の大部分は独裁問題で苦しんでいる。韓国政治が韓国人の期待水準に達していないのは事実だが、だからと言って韓国政治が本当に間違っていたと考えるのは客観的でないという指摘を受けられる。

もう一度いうが筆者が本を書いた理由は韓国人が韓国の伝統文化を軽視し文化的長所を肯定的に生かす努力が足りないと考えるためだ。しかし韓国が望む望まないにかかわらず、韓国は多くの開発途上国のモデルになっている。韓国が先進国の道を行こうが、開発途上国の地位で止まったり後進国に転落するかは韓国人の決定にかかっている。しかし韓国が模範的先進国にならないなら開発途上国の人々に多くの失望を抱かせることになるという点を重く受け止める必要がある。

エマニュエル・パストリッチ慶熙大学教授




【反論寄稿】韓国伝統文化と１等国（１）