【時論】文昌克氏の辞退で明らかになった不通構造=韓国(1)
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2014.06.30 11:38
首相候補に指名され辞退した文昌克(ムン・チャングク)氏の話を改めて取り上げるのは死んだ子どもの歳を数えるようなものと言える。彼はすでに首相候補から辞退し、朴槿恵(パク・クネ)大統領は鄭ホン原(チョン・ホンウォン)首相を再信任した。したがって「文昌克氏が首相になったとすればどうだっただろうか」と仮定するのは、「死んだ子どもが生きていたなら何歳になっただろうか」と考えるように無駄なことかもしれない。しかし文氏が落馬する過程で明らかになった韓国社会の疎通構造の特徴を振り返ることは韓国社会の未来のために意味あることだ。
文昌克氏問題を通じて見ると、韓国メディアは韓国社会を疎通社会とするよりも結果的に不通社会にするのに寄与している。情報を提供する公論の場が逆説的に不通の障壁を積み上げている。文昌克氏に対するKBSの報道は法的には保護されるものとみる。しかしジャーナリズムの観点からは問題が多い。頭と尻尾を切り落とし特定部分だけを編集報道した。文氏が講演で話そうと考えていた核心部分はよけた。反論権はまともに提供しなかった。他のメディアも文氏に対し新たな観点や事実関係を提供できず、既存の親日極右の観点を再確認し補充するのにとどまった。客員教授任命過程や大学院在学などに対しても釈明の機会は与えられなかった。