【時視各角】パッシング共和国=韓国

【時視各角】パッシング共和国=韓国

2018年06月08日17時25分
[ⓒ 中央日報/中央日報日本語版]
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  今度は経済だ。何か問題があれば「李明博(イ・ミョンバク)・朴槿恵(パク・クネ)」のせいにする習慣性責任回避のことだ。経済の実情をめぐる論争が起こると、青瓦台(チョンワデ、大統領府)は「李明博・朴槿恵政権当時の低成長、低雇用で経済が活力を失い、今から回復するところ」と主張した。そのような側面がまったくないとは言えない。前政権の政策の失敗を後任の政権が抱え込むケースが多いのが5年単任の大統領制だ。文在寅(ムン・ジェイン)政権も例外でない。

  とはいえ執権2年目だ。まだ積弊を言うのは少し問題がある。さらに世界経済は好調だ。輸出で生きる国が他国の状況はさておき、過去の政権とばかり比較すればおかしくなる。「前向きな効果が90%」という最低賃金も同じだ。失業者や零細事業者の声は聞かないようだ。実際、正当性を前面に出したその間のキャンペーン式国政にも疎通というのは支持層の要求でもあった。

  原発建設、THAAD配備、慰安婦合意がそうだった。反対勢力の問題提起で難関が生じれば積弊にした。長官候補が承認を受けられなければ「前政権の検証方式」、殺虫剤卵問題当時は「食品の安全管理ができない前政権」のせいだった。しかし今の経済が良くてもそれを前政権のおかげとは言わないようだ。同じ政府でも人見知りする金東ヨン(キム・ドンヨン)経済副首相パッシング論争を見てそのように感じた。

  金副首相は康京和(カン・ギョンファ)外交部長官と共に内閣改造の看板スターだった。文大統領が就任直後に出した最初のカードだ。古い方式の歪んだ政府の雰囲気を正すという期待を受けた。しかしパッシングを越えてのけ者という声まで聞く2人だ。もちろん自身の責任もある。1年過ぎてから所信発言をする金副首相だ。「税金を引き上げはない」と公言してから2カ月後に引き上げ案を国会に提出したこともある。

  なぜそうか。「万機青覧」「無誤謬青瓦台」が出発点だ。青瓦台には政策室長と雇用・経済・社会首席秘書官のほかに経済補佐官がいる。青瓦台が「経済コントロールタワーは金東ヨン」と言ってもそのまま信じることはできない。本当にそうであるのなら、青瓦台が彼の最低賃金速度調節論から受け入れなければいけない。しかし現在のところそうではない。

  昨日今日のことでもない。秘書室に最側近を配置して「内部内閣」として活用する「韓国型青瓦台システム」は朴正熙(パク・ジョンヒ)大統領が制度化した。大統領の権力を最大化するためだった。政策が成功すれば青瓦台のおかげ、失敗すれば長官に責任を問う。その後、歴代政権がすべてこれに従った。秘書室の定員がピークとなったのは分権を前に出した盧武鉉(ノ・ムヒョン)青瓦台だ。朴槿恵政権は「書き取り内閣」と呼ばれた。文在寅野党を含むすべての野党は激しく非難した。

  李洛淵(イ・ナギョン)首相が昨日「政策を用意して執行するのは内閣」と述べ、部処の積極的な対応を注文した。正しい言葉だ。しかしそうでないという現実の傍証でもある。大統領は秘書の言葉は参考にし、国務会議で長官と議論して決めると憲法で規定されている。文大統領はそうすると約束した。

  しかしそれだけだ。金東ヨン副首相パッシングを越えて官僚パッシング、官僚が長官を飛び越えてすぐに青瓦台に伝える長官パッシングという話が広がっている。李洛淵首相、与党、国会も次々とパッシングのフレームに入った。さらに秘書官席をさらに増やす青瓦台組織改編を検討中という。地方選挙後に内閣改造があるというが、これでは何の意味もない。

  前任者と逆に進めば拍手を受ける文政権は幸せな政権だ。その青瓦台に手を加えることはその中でも満場の拍手を呼ぶだろう。責任回避でなく自省に向かう道だ。帝王的秘書室が内閣の上に君臨して崔順実(チェ・スンシル)の国政介入を放置したのが改革の発火点ではなかったのか。それが積弊ではなかったのか。

  チェ・サンヨン/論説委員
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