日米中、MERSの抗体抽出に成功…臨床段階までは至らず(2)
ⓒ韓国経済新聞/中央日報日本語版2015.06.22 11:22
だがさまざまな努力にもかかわらず、すぐに患者に投与できる水準の治療剤は確保されていない。核心は商業性だ。MERSウイルスは動物細胞を利用して培養しにくく、培養するといっても生産性が低くてコストが増大するほかはない。特に突然変異が頻繁に起こるウイルスはワクチンをその時その時に開発しなければならない短所がある。患者数が急激に増えない状況で製薬会社が多額の資金をかけて治療剤の開発に乗り出さない理由だ。グローバル製薬会社の関係者は「ワクチン開発は動物実験、臨床試験、米国食品医薬局の許可まで数年かかるが、商用化の時点でそのワクチンに使い道があると誰が断言できるだろうか」と話した。
専門家たちは国際的な共助が必要だと話す。米国感染学会のアメシュ・アダルジャ博士は「2012年のMERS発症後今までワクチン開発のデッドラインを守れずにいる」としながら「世界保健機関(WHO)と各国政府が主なウイルス疾患の優先順位をつけて今からでも支援しなければならない」と強調した。英国オックスフォード大学のエイドリアン・ヒル教授(免疫学)は「韓国はMERS拡散を止めるのに成功するだろうが、それでも世界の医療界がワクチン開発を躊躇していてはいけない」として「研究開発に必要なお金は、MERSの最初の発症国サウジアラビア政府が出すのが望ましい」と話した。