イ・ナヨン中央（チュンアン）大学社会学科教授は「揺らぐことなく精巧に碁を打つアルファ碁の姿が『冷酷な未来技術』という漠然とした不安感を呼び起こした」と分析した。イ・ビョンフン中央大社会学科教授は「ＡＩが広範囲な分野で活用されながら、もたらしかねない人間疎外の問題などについて今から本格的に考えてみるべきだ」と話した。

李世ドル（イ・セドル）九段が韓国人である上に対局場所が韓国なので、私たちの社会が今回のことを過度に敏感に受け止めているという解説もある。対局現場にいたある記者は「外信記者は人間の敗北だと解釈するよりも『良い機械が１つ出てきた』というふうに『クール』に反応する傾向を見せた」と伝えた。

李九段の敗北が衝撃的に受け止められながらＡＩへの恐れが過度に広がったという意見も多い。キム・ジノ　ソウル科学総合大学院ビッグデータＭＢＡ教授は「人工知能の発達を恐れる理由はない。技術の発達は価値中立的だ。良いことではなく、悪いことでもない。どのように活用するかの問題だ」と話した。

イ・ジュンジョン未来探険研究所長は「ＡＩは自意識や創造性を備えておらず莫大なデータ入力によって作動する道具にすぎない。人類の発展は人間の肉体だけでなく各種の道具を通じて具現化されてきた」と説明した。キム・ジンヒョンＫＡＩＳＴ（韓国科学技術院）電算学科名誉教授も「アルファ碁の勝利は、賢い召使いの登場と解釈できる。召使いが賢ければ主人が楽になる」としてＡＩの効用性を強調した。

グーグルはＡＩ技術を徹底的に倫理的に活用すると約束した。８日対局の事前懇談会でアルファ碁を開発したグーグルのディープマインドのデミス・ハサビス最高経営責任者（ＣＥＯ）は「ＡＩが人類の未来を威嚇しないか」という質問に「新しい技術は、どのように使うかによって善と悪に分かれる。このような技術は倫理的に使わなければならない。私たちは人類に寄与しようと努力している」と話した。


＜囲碁：人間ｖｓ人工知能＞「ＡＩが人間の代わりに、背筋寒く」「召使い賢ければ主人は楽に」（１）