「鉄甲を廻らせ芸術を着せる」…韓国建築界に新たなリフォームの風(2)
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2014.09.16 16:21
◆瓦・レンガとアイアンマスクの出会い=フランスで建築材料について学んだイ氏は材料選びと表現方式に対して格別の関心を持っている。以前設計した「ヘルマ駐車ビル」から慶南(キョンナム)南海「Cheo-ma House」、龍仁「The Curving House」などでさまざまなパターンが目につくのもそのような脈絡だ。
イ氏は設計を引き受けて「レンガ壁と瓦屋根を残してどのような形態と材料で新しい感性を表わそうか悩んだ」とし「この古い家に刻まれた模様を探し出したいと思った」と話した。イ氏は30年経った瓦屋根の波パターンに応えるように黒いステンレスパネルを三角形と菱形で互いに組み合わせて家の胴体を包んだ。繊細に彫られた「アイアンマスク」のようだ。ステンレスパネルにレーザーで切り取られた20余万個の多彩な模様は建物の中で無数の光彫刻を作り出す。建築主と建築家は「家に新しい服を1枚着せて前より少し暗くなった面もある。しかしこれを甘受してもよくあるような退屈なデザインは避けたかった」と口をそろえた。
この家から生まれた大きな変化は別のところにある。傾斜した路地によって高く築かれていた土台広場の地下部分を掘りおこしてギャラリー空間を作った。建築主が全く期待していなかった意外な“ボーナス”空間だ。イ氏は「ここが将来、どのような場所として使われるかを想像し、いろいろ活用できる余地を残した」とし「この家の前を通る人々が身近に感じるような場所になればと思う」と話した。