【時視各角】政権のオーバー、私たちのオーバー=韓国

【時視各角】政権のオーバー、私たちのオーバー=韓国

2018年11月14日14時41分
[ⓒ 中央日報/中央日報日本語版]
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  今月7日午前0時(現地時間)、突然のマイク・ポンペオ-金英哲(キム・ヨンチョル)会談中止発表は衝撃的だった。だが、それよりさらに気乗りしなかったことある。その前日の青瓦台(チョンワデ、大統領府)の金宜謙(キム・ウィギョム)報道官の記者会見だ。

  金報道官は「米国務省の報道資料にあった『4本の柱(four pillars)』という表現に注目する必要がある」と話し始めた。続けて「今まではシンガポール共同宣言の4種類の合意事項のうち3、4番目の韓半島(朝鮮半島)非核化、遺骸発掘から行われてきたが、今回の会談では1番目(新たな米朝関係の樹立)、2番目(韓半島の恒久的平和定着)の問題も本格的に交渉で扱われるのでないかと考える」と述べた。新しいアプローチ法を取ることになる可能性があるとも述べた。つまり、米国務省が発表文に「4本の柱」という表現を使ったことから推測して、何かしら交渉局面に変化があるだろうという話だった。金報道官は「崔善姫(チェ・ソンヒ、北朝鮮外務省副相)が出席する可能性が高くないだろうかと予想する」とも述べた。大多数のメディアは金報道官の言葉をそのまま伝えて期待を高めた。

  結果的にすべて間違いだった。もちろん、会談中止は仕方なかった。青瓦台でも知るすべはなかっただろう。だが、金報道官が「4本の柱」を新たな内容のように提示したことは明らかな曲解だった。米国務省はすでに1カ月前の先月9日、ナウアート報道官が記者会見で「ポンペオ長官は(4回目の訪朝で)金正恩(キム・ジョンウン)委員長とシンガポール首脳会談の『4本の柱』について議論した」と明らかにした。スティーブン・ビーガン北朝鮮特別代表も先月8日、平壌(ピョンヤン)会談を終えてソウルに到着しながら「4本の柱」について言及した。

  一言で「4本の柱」という表現は、金報道官の大きく膨らんだ希望的解釈とは違って、新しい表現でも、新しい意味でも、新しいアプローチ法でもなかった。検索さえすれば分かり得たことだ。なのに、前後関係の把握すらできていないまま、原則論を守るワシントンの雰囲気も知らずに国民に無駄な期待だけを抱かせた。百歩譲って「雰囲気の変化」を感知したとしよう。それでも米朝間の問題を事前に青瓦台報道官がああだこうだ肉付けして言及することではない。このようなことをオーバーという。

  政界はさらに上を行く。国会文化体育観光委員会委員長の安敏錫(アン・ミンソク)議員は、防弾少年団(BTS)平壌(ピョンヤン)公演を推進すると述べたが、「どうか刺激せずにそっとしておいてほしい」とする世論の反発を買った。本人は「民族的課題」と考えているかもしれないが、グローバルな視点から見れば「国家的恥さらし」だ。大統領が海外歴訪にBTSを呼べるのだから、自分もできると思っているようだ。それだけだろうか。国会に出席した証人に向かって「見たことも聞いたこともない下劣な奴」と言い放った。証人がこれに反発すると「国会を冒とくするつもりか」と応酬した。このようなオーバーまで目にしなくてはならないのか。証人を冒とくし、国会の権威を冒とくしたのは安議員のほうだ。米国や日本の国会だったら直ちにつまみ出されただろう。

  政府与党のオーバーは韓国社会のオーバーを招いている。白昼のソウル都心のど真ん中で「金正恩」を連呼して称賛する団体まで現れた。「白頭(ペクトゥ)称賛委員会」だという。いくら悪法でも、国家保安法は現存する実定法だ。南北対話と金正恩称賛は明らかに異なるものだ。ところが法を執行しなければならない警察と検察は、何とかして見なかったふりをしている。

  いったい私たちはいま、何のために、何をしているのか。北朝鮮は非核化レースのスタートラインでまだ準備運動すらしていないのに、私たちはすでにゴールで花束や金メダル持って喜びのファンファーレを鳴らしているのではないのか。青瓦台、政界、韓国社会ともにオーバーになってはいけないラインがある。それを自覚するところから正常な思考も正常な行動も出てくる。大韓民国の覚醒が切実だ。

  金玄基(キム・ヒョンギ)/ワシントン総局長
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