するとスーパードル時代が韓国経済にはどんな影響を及ぼすだろうか。一般的にドル高はウォン安を意味する。だがウォンがドルに比べて劣勢（ウォン安）を見せても、ほかの通貨と比較すれば強勢（ウォン高）を維持するものと見られる。韓国は相対的に堅調な経済ファンダメンタルを有しており、経常収支の黒字基調も持続すると予想されているためだ。ウォン高傾向は輸出が経済に占める割合が高い韓国にとって肯定的というよりは否定的に作用する恐れがある。

特にウォン高円安がより一層進む場合、韓国の輸出企業に及ぼす否定的影響ははるかに大きくなるだろう。日本企業と韓国企業の輸出の競合度が高いためだ。一部では１００円＝８００ウォン台まで下落すると展望している。ここに中国の元安傾向までより増せば、韓国の輸出企業はより一層難しい状況に直面するだろう。

またウォン高基調の中でも、短期的にはウォン安になる現象が繰り返される可能性が高い。まだ主要国の通貨政策の時点や規模が流動的で、その効果もまた不確かなためだ。特に新興国で金融危機が発生したり主要国の景気鈍化が深刻化したりする場合には、ドルのような安全資産に対する選好が強くなり、一時的にウォン安が非常に大きくなることもある。これもまた韓国の経済と企業には否定的な影響を及ぼすだろう。

今後スーパードルの流れがどのように展開していくのかを予測するのは難しいことだ。したがって多様な可能性を予想して、万が一の場合に備える必要がある。すると困難な時期が訪れてもうまく克服できるはずだ。

クォン・ソンジュ企業銀行長


【コラム突スーパードル時代の生き残り法＝韓国（１）