【コラム】小泉氏のための歴史の教訓

【コラム】小泉氏のための歴史の教訓

2006年08月22日14時25分
[ⓒ 中央日報/中央日報日本語版]
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  韓国と中国では今年も小泉純一郎首相の靖国神社参拝に抗議する集会が行なわれた。この問題についての小泉首相の強い意志はこの数年間、日本と近隣国との関係を悪化させてきた。中国の胡錦濤・国家主席は靖国神社に参拝する日本首相とは首脳会談を行なわない、との考えを数回表明している。

  日本国内でさえ小泉氏を批判する声があがっている。日本人の大半は、中国がこの問題で憤怒していることについて否定的だ。だが同時に相当数の日本人が小泉氏の靖国参拝を支持しない。7人の元首相が同氏に参拝を放棄するようにと求めたりもした。

  しかし小泉氏は意志を変えなかった。次期首相に有力視される安倍晋三官房長官も首相になれば靖国神社に参拝する、との立場を公表している。麻生太郎外相は天皇に靖国参拝を求めた。靖国をめぐる対立は今後もさらに深まる見込みだ。しかし過去を振り返ってみれば、靖国問題でさえ肯定的な教訓を得ることができる。

  80年代に中曽根康弘元首相の当時を思い出してみよう。中曽根、小泉氏らは2人とも人気のある政治家だった。長い間首相を務め、保守・民族主義を目ざした。もう一つの共通点は、それらが親米派だとのこと。中曽根氏は米国が主導する自由世界で、日本が「沈まない空母」になるべきだと述べ、小泉氏はイラク戦争に軍隊を派遣した。

  しかし2人には大きな違いがある。他ではなく靖国問題と対中関係だ。中曽根氏は在任中の85年、靖国神社に参拝した。同氏は訪問日を8月15日に選ぶことでタブーを破った。中国は当然激しく反発した。学生らは同氏の訪中に反対するデモを繰り広げた。両国関係は冷え込んだ。中曽根氏はしかし、中国の反発を国内政治に利用しなかった。その代わり、二度と靖国へ向わない方式を選んだ。

  同氏は翌年、中国共産党・胡耀邦総書記に招かれ、北京を訪ねた。そして中国との友好関係に向けた「日中青年交流センター」を設けるための礎石を据えた。これは、中国の指導者が同国内の反日感情を制御するうえでプラスになった。胡耀邦氏は中曽根氏の勇気を高く評価し、中国の若年層に、自国のことだけを考えるのは分別のある愛国者ではない、と公の場で警告した。

  中曽根氏はそれ以降、対中外交で有能な政治家に認められた。しかし、同氏が(日本を中国に)「売り払った」という非難は出てこなかった。これは小泉式の強硬路線のみ唯一の解決策ではないとの点を示す。日本の首相は、自国内の近隣国に対する敵がい心を利用しなくても、いくらでも強くなれる。また中国との健康な関係を維持しつつも保守、愛国、親米的になり得る。実際、小泉氏が靖国参拝をやめていれば、それは長い間開けなくなっている日中首脳会談を開ける扉になったはずだ。

  日本との未来志向的な関係を追求する中国内の穏健な声を支えることもできた。不幸にも小泉氏と同僚らは前へ進む準備ができていないようだ。麻生外相は「中国が(参拝するなと)話せば話すほど行かざるを得なくなる。たばこを吸うなと言われればさらに吸いたくなるのと同じ」という発言もしている。

  現在日中のリーダーたちがおよそ20年前の胡耀邦氏と中曽根氏のように抱擁するだろうと期待する人はない。だが隣接している両超大国の首脳らが国際会議でさえ見て見ぬ振りをするのは悲しいことだ。万が一、いま中曽根氏が麻生氏の言葉に答えるとしたら次のように語るだろう。「小泉氏が吸うたばこを間接喫煙するのは日本の国益ではない」。
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