胡錦濤・中国国家主席の今回の北朝鮮訪問は多くの点で注目される。 まず胡主席と金正日(キム・ジョンイル)北朝鮮国防委員長が、北朝鮮核問題の平和的解決原則に合意した点だ。 もちろん目新しいものではない。 しかし北朝鮮訪問中に表れた中国の態度を見ると、その意味は普通でない。
胡主席は異例にも夕食会のあいさつで、中国経済の発展を説明するのに多くの時間を割いた。 改革・開放以後、国内総生産額が1473億ドルから1兆6494億ドルに増えたと述べるなど、各種数値まで提示した。 胡主席としては、金委員長をはじめとする北朝鮮指導層を相手に「21世紀を生きていく知恵」について講義をしたわけだ。 改革・開放以外に選択の余地はないというメッセージだ。 同時に改革・開放のためには北朝鮮核問題の解決が必須不可欠だという点もう回的に喚起した。 平壌(ピョンヤン)指導部が胡主席の「友好的忠告」を聞き流すことがないよう心から期待する。 コメと肥料の他にも数千万足の履き物など各種生活必需品を南側に要求するほど疲弊した経済事情を勘案すると、なおさらだ。
朝中は今回、厚い友誼を誇示した。 金委員長は「朝中関係は血で結ばれた真の紐帯」と述べ、胡主席は「国際舞台で共同利益を守ることに合意した」と語った。 特に、中国は20億ドル相当の長期借款を北朝鮮に提供するという。 1992年の韓中樹立以降、疎遠になった両国関係の正常化に向けた枠が用意されたという分析も出てきている。 北朝鮮を国際社会に引き込もうとする中国の努力には拍手を送るが、北東アジアの微妙な情勢変化はわが外交にとって新しい挑戦になりうるという点で、緊張を緩めることはできない。