開発に50億ウォンかけた掃除ロボ、海外では好評だが韓国では…
ⓒ韓国経済新聞/中央日報日本語版2013.11.10 13:06
慶尚北道慶山市(キョンサンブクド・キョンサンシ)にあるイルシムグローバル。昨年世界で初めてガラス窓清掃ロボットの「ウィンドロ」を市場に出した。韓国政府の「次世代世界一流商品」生産企業に選ばれたこの会社はいまがらんと空いている。6日午後、忙しくなければならない生産ラインには各種部品だけ乱雑に置かれている。会社を守るのはロボット事業部のキム・ヒョンユン主任と首席研究員の2人だけだった。彼らは会社が6月に法定管理(企業再建手続き)に入り月給さえもらえずにいる。キム主任は、「4年間ロボット開発に注いだ愛情のために離れられない」と話した。この会社の社員数は一時40人を超えたが、1人2人と会社を離れいまは4人だけだ。
この会社のリュ・マンヒョン代表は今月2日から半月の日程でドイツとポルトガルを回っている。企業再建案をまとめるためフランクフルトとリスボンにある取引先を尋ね投資を誘致したり注文を取るためだ。リュ代表は記者との電話通話で、「復活するための最後の苦闘だ。法定管理に入るまでには私の誤ちが最も大きいが、投資さえ受けられたならここまでひどくはならなかったはずなのに…」ともどかしそうだった。先端製品だった「ウィンドロ」は一時は世界一流商品に挙げられたが、いまでは彼の涙になった。
大学卒業後中小企業に入りドイツ駐在員として活躍したリュ代表は、2005年に超極細糸クリーナーを欧州に輸出するこの会社を作り独立した。2009年には売り上げが100億ウォンに迫りしばらくは順調に行ったという。技術革新型中小企業の認証を受け2009年にはベンチャー企業の認証も受けた。だが、中国製の低価格の超極細糸製品が出て価格競争力が下がり始めた。新たな活路を見出さなければならなかった。海外バイヤーが関心を持った「ガラス窓清掃ロボット」を彼は思い出した。先端製品で新しい市場を作ってみるというチャレンジ意識も作用した。