「北朝鮮文学に早くキスが登場すれば…」
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2012.08.23 18:12
慶煕大の金鍾会(キム・ジョンフェ)教授(国文学、57)は北朝鮮文学の専門家だ。 一千万離散家族再会推進委員会事務総長などの経歴を土台に約20年間にわたり北朝鮮文学の研究にまい進し、『北朝鮮文学の理解』(全4巻)などの著書を出した金教授が、今回、『北朝鮮文学研究資料叢書』(国学資料院)を出した。 1945年の解放から約60年間、北朝鮮代表文学作品を集大成した本だ。 韓雪野(ハン・ソルヤ)などの小説31編、朴世永(パク・セヨン)、呉映在(オ・ヨンジェ)などの詩252編が収録されている。 文学批評26編、研究論文21編も掲載され、全2945ページのぼう大な量だ。 07年から5年間、統一部北朝鮮資料センターと国立図書館・国会図書館などを回りながら収集・分類した北朝鮮文献から厳選した作品だ。
金教授は13日、中央日報のインタビューで、「文学ほど当代の北朝鮮の政治・社会的現実と時代認識をよく把握できる媒介体は珍しい」とし「北朝鮮文学研究は北朝鮮の現在と今後の変化の可能性を予想できるバロメーター」と著書の意味を強調した。 特殊資料に分類され、文学人や一般研究者が接するのが難しい北朝鮮文学原典を、より容易に触れられるようにしようという趣旨で本を出すことになったという。 金教授は「理念を前面に出して文学を道具化する北朝鮮と芸術的な価値を最高とする私たちとは大きな差がある」と指摘した。 しかしこうした特性を無条件に批判するのは問題だという。 金教授は「そのような特性を理解し、民族の同質性と連帯意識を回復していこうという努力が必要」と強調した。