売上高の６０％を賃貸料として受ける仁川空港公社はロッテ側の要求を受け入れる場合、打撃が避けられない。仁川空港免税店事業者はロッテを含む７カ所（新羅・新世界・ＳＭ・シティプラス・サムイク・エヌスター）あり、ロッテだけを引き下げるわけにはいかない。７カ所すべて賃貸料を再調整すれば売上の相当部分を放棄しなければいけない。

さらに「企業びいき」という声も懸念される。第３期事業者選定当時に免税店を「金の卵を産むガチョウ」と見なして事業者が約束した賃貸料を環境が変わったから調整するというのは公平でないという指摘もある。実際、当時も大企業に割り当てられた免税店８カ所の圏域でなんと４カ所を確保したロッテ免税店に対し「過度に高い金額を提示したことが『勝者の呪い』になるだろう」という見方があった。

これに対し免税店業界の関係者は「ＴＨＡＡＤ報復や市内免税店の追加許可など政策的な決定に関する要因で困難に直面している。さらに空港公社は賃貸料引き下げ余力が十分にある」とし「協議を通じて共生できる道があるが、これに背を向けている」と主張した。

中小・中堅免税店も賃貸料引き下げを要求している。空港側を相手に法的な対応を検討する事業者もある。先月、サムイク免税店は仁川国際空港公社を相手に賃貸料減額請求訴訟を起こした。ＴＨＡＡＤ報復と市内新規免税店事業者拡大による売上減少で賃貸料引き下げ要因が発生したという理由だ。サムイク楽器が運営するサムイク免税店は今年上半期、約５４億ウォンの営業損失を出した。シティプラスは金浦（キンポ）空港免税店入札当時に約束した国際線ターミナル拡張・増便計画が進展していないとして韓国空港公社を公正取引委員会に提訴することを検討している。これに先立ちハンファ免税店は済州（チェジュ）国際空港免税店からの撤退を決め、今年１２月末まで運営する計画だ。


ロッテ免税店－仁川空港公社の賃貸料交渉が難航…「チキンゲーム」へ（１）