【時論】不安を増幅させる社会=韓国(2)
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2016.08.05 15:04
したがって技術リスクを純粋に科学的にだけ扱うことができるという考えは、最も深刻な錯覚であり間違いかもしれない。今日のリスクは社会・文化・歴史的脈絡から分離させることはできない。最も代表的な事例が遺伝子組み換え(GM)食品のリスク認識が国ごとに大きく異なるという点だ。同じGM作物をめぐるリスク認識が、輸出する米国と輸入する欧州では両極端に分かれる。
このようなフレームで分析してみれば、政府が非科学的な怪談と根拠なきデマで片づける現象が実は韓国社会全体の不安水準が高まったという信号だということが分かる。セウォル号惨事やMERS事態は「果たして政府が国民をリスクから守る能力と意志があるのか」という疑問を大きくしたし、市民が小さなリスクにも極度に敏感になる結果を生んだ。釜山・蔚山地域は韓国で原子力発電所が最も密集している東南圏に位置している。最近頻繁になった地震や放射能に対する不安心理が互いに増幅されるほかはない条件だった。