【コラム】韓国ドラマ『その冬』、原作・日本ドラマの節制美はどこに?
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2013.03.07 14:40
俳優チョ・インソンの除隊後の復帰作、ソン・ヘギョの磨きのかかった演技、スターコンビのノ・ヒギョン作家とキム・ギュテPD。彼らが集結しているというだけで期待が高まっているSBS(ソウル放送)のドラマ『その冬、風が吹く』(以下、『その冬』)。中盤にさしかかった同作は、いまのところ同時間帯視聴率1位を守っている。
しかし不満も少なくない。特に日本ドラマ『愛なんていらねえよ、夏』のファンが不平をくすぶらせている。絶望と不信の中から咲き始める愛という原作の深みに至ることができないでいると彼らは口をそろえる。一方では、リアリティー・メッセージ(日本ドラマ)対ビジュアル・ロマンス路線(韓国ドラマ)という、両国ドラマの特徴を比較して見せているという意見もある。
2つの作品の大まかな筋書は同じだ。大企業の跡取りである兄と妹が、両親の離婚によって幼少時代に別れ、父親の亡き後に1人ぼっちになった視覚障がい者の妹の前に、彼女の資産を狙う偽物の兄が現われるところから物語が始まる。日本ドラマの原作は、資産は多いが死にたいと思っている女と金がなくて死んでしまう男の荒廃した内面を比べている半面、韓国ドラマのリメイク版はメロドラマ一直線だ。ひとつのベッドで一緒に眠り、日本ドラマではエンディングでようやく出るキスシーンが、韓国ドラマでは中盤からすでに登場している。韓国版のほうは詐欺劇が愛に変わる地点が日本ドラマに比べてかなり早く、そのためロマンスのほうに集中できる。