金正恩の怒声が響く経済現場…大改革は遠ざかるのか(2)
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2018.07.11 15:30
金委員長の中朝国境地域滞留と経済現場訪問は、先月12日のシンガポール米朝首脳会談と3回目の中国訪問(6月19-20日)直後のことだ。最初の訪問地の平安北道薪島郡と新義州市は、北朝鮮の代表的な経済特区の一つである黄金坪・威化島(ウィファド)経済地帯があるところだ。金委員長の執権後に設定した5カ所の経済特区と19カ所の地方級経済開発区の核心だ。このため金委員長が中国の習近平国家主席との同意のもと、黄金坪開発再推進を主軸に中朝経済協力に拍車を加えているという見方が提起された。「平壌のトランプタワー」などを前に出した米国の対北朝鮮進出の動きと非核化圧力を牽制・回避するための策略ということだ。
しかし金委員長の動きと発言を細かくみると残念が点が少なくない。何よりも北部の後れた工場・企業所を訪れて設備現代化と生産増大を注文したところで、どれほどの効果があるだろうか。葦を採取して紙や繊維を作る生産システムに対し、対北朝鮮専門家は懐疑的な反応だ。労働新聞によると、新義州化学繊維工場を訪れた金委員長は「教育事業での問題の一つが紙の需要を満たせないこと」とし、教科書や学習帳を生産する紙を円満に供給するよう要求した。経済の根本的解決法よりも対症療法に向かっている。ソン・ギウン元統一研究院長は「南北首脳会談と米朝首脳会談後の情勢変化を反映した大きな絵を金委員長はまだ描けていないようだ」と述べた。