【コラム】悪魔化の危険…米国、北朝鮮とまずは対話すべき(2)
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2014.09.16 11:21
第2次大戦後、米国の歴史は失敗した介入の歴史といっても過言ではない。CIAの秘密工作を通じてクーデターをけしかけ、反政府勢力を支援したりさらに武力介入までしたが、所期の目的を達成したケースはほとんどなかった。より一層暴力的で抑圧的な独裁政権が登場して、逆効果を出したケースが大部分だ。猫の場に虎を座らせたような格好だ。ニューヨーク・タイムズ中南米特派員出身で米国の対外介入の歴史を深層追跡したステファン・キンジャー(Stephen Kinzer)は『ハワイからイラクまで米国のレジーム・チェンジの世紀(Overthrow:America’s Century of Regime Change)』(2006)という本で、世界の随所で試みられた米国の「レジーム・チェンジ」工作は、米国の安保を強化するよりむしろ弱体化させる結果を生んだと分析した。
バラク・オバマ米大統領の新たな頭痛の種として登場したイスラムスンニ派の武装勢力であるイスラム国(IS)も、もとはといえば誤った武力介入の副作用だ。米国は歪曲された情報を根拠に、サダム・フセインを悪魔に追い立てて断罪しイラク政権を交代させた。だが結果的にISの跋扈(ばっこ)をそそのかした格好になった。米国が擁立したシーア派首相のヌーリー・マリキの専横によって隅に追いやられたアルカイダの一分派がアブ・バクル・アルバグダディの指導のもとでISに発展したというのが定説だ。前任者であるジョージ・W・ブッシュの誤ったイラク介入が後任者であるオバマにとって重ねがさね荷物になっている。IS撃退範囲をイラクからシリアに拡大しながら幕が上がったオバマ版中東戦争は、再び彼の後任者に負担材料になることは明らかだ。