【社説】国会乱入デモは民主主義の不正暴挙
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2011.10.30 10:56
28日に韓米自由貿易協定(FTA)批准に反対するデモ隊が国会に乱入した。彼らは国会前でスローガンを叫び、警察が北門を遮断した後も一部が塀を乗り越えて国会に入ったという。警察は放水し、現場から67人を連行した。国が破綻したギリシャのデモの場面を彷彿とさせる。革命状態ではなく、正常な国では見つけるのも難しい姿だ。決して簡単に眺めている事案ではない。彼らを解散させようと国会内に入った警察の放水車がまさにわれわれの民主主義の現住所を象徴するものだ。
国会議員は好きであれ嫌いであれ有権者が選んだ人たちだ。彼らが集まって互いに違う意見と利害関係を調整し法と政策を作る場所が国会だ。そこにデモ隊が乱入したのは代議民主主義の根幹をまるごと否定する行為だ。大韓民国の議会政治と民主主義に対する挑発であり侮辱といっても過言ではない。
国会に乱入した理由は正当性がない。韓米FTAは反対する側もいるが賛成する国民も少なくない。単に賛成する声が静かで反対する声が大きいだけだ。その上輸出でなければ食べていく道のない大韓民国が自由貿易に反対するというのは話にならないのではないか。庶民を代弁するという盧武鉉(ノ・ムヒョン)大統領が反対を振り切って韓米FTAを推進したのもそのような理由だ。同じように欧州や他の国とのFTAは大丈夫で米国とはできないという論理も詭弁だ。韓米FTAを口実に反米感情を広めようとするものにすぎないとわれわれはみる。