【中央時評】金正恩委員長はなぜ残忍なのか(2)
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2017.02.23 08:01
我々は金正恩委員長に残忍さを選択させる構造を見なければいけない。そうしてこそ北朝鮮体制の変化の動力あるいはアキレス腱が見え、我々の対北朝鮮政策方向も探すことができる。そのアキレス腱はまさに市場だ。いま北朝鮮の住民は公式の職場で働く場合、1カ月に闇市の為替レートで計算して1ドルも受けるのが難しい。しかし1カ月に平均60ドルはないと家計は生活が苦しい。実際、生活費と公式月給の差の大部分を住民は市場活動で埋めている。こうした社会主義体制は歴史上、前例がなかった。
問題はこうした市場活動が権力の維持には致命的ということだ。北朝鮮で最も重要な経済的統制手段は配給制だった。国の配給は北朝鮮の住民に忠誠を要求する説得力のある名分だった。しかし今では住民の食糧取得量で配給が占める割合は4分の1にもならない。3分の2は市場で購入し、残りは菜園などで自ら調達する。食糧まで国が保障せず、自分が稼いで生活することを北朝鮮住民が体得したのだ。当然、北朝鮮住民の政権からの独立心は強まった。