空の道は狭くなった。中国人観光客がチャーター機に乗って団体で入国してきた地方空港は直撃弾を受けた。観光客が減っただけでは足らず、中国政府がチャーター機の運航を許可しないため影響が拡大している。春節連休期間に中国から出発する済州行きの航空機は定期路線と不定期路線（チャーター便）がそれぞれ１０％と５０％も減った。毎年１～２月に中国路線にチャーター便を飛ばしていた清州（チョンジュ）空港と襄陽（ヤンヤン）空港は今年は開店休業状態だ。忠清北道のある旅行会社関係者は「このままでは会社をたたまなくてはならない。いまは観光客を送り出すことも、受け入れることもできない」と愚痴をこぼした。中国政府は昨年末に自国の旅行会社に対し韓国行きの旅行客数を２０％ほど減らすようにとの指針を下したとされる。

清州空港から入国した中国人観光客は２０１５年１０～１２月の３カ月間に１０万７５１人だったが、昨年の同じ期間には９万７２３人で１０％の１万２８人が減った。上海浦東と大連・ハルビン路線は昨年１１月から３月２５日まで運航が中断された状態だ。

チャーター便の運航がなくなり昨年１０～１１月の２カ月間に務安（ムアン）空港から入国しようとしていた中国人観光客８０００人余りが来られなくなった。観光客を待っていた木浦（モクポ）や麗水（ヨス）など全羅南道（チョンラナムド）地域の観光地は文字通り中国大陸発の冷たい風を浴びている。

海の道も凍りついた。釜山観光公社は春節連休期間に釜山を訪れる中国人観客数が昨年の２万人より減ると予想している。釜山港湾公社によると昨年１２月にクルーズ船３１隻が２６１回寄港を申請した中国の船会社は今年に入り２２９回に減らすと通知してきた。寄港１回当たり２５００人の中国人観光客を乗せてくるという点を考慮すれば８万人ほどが減る格好だ。釜山港湾公社関係者は、「単純に日程が変更されたと説明するが、ＴＨＡＡＤの影響が最も大きいとみられる」と分析した。


ＴＨＡＡＤの影響…春節連休の中国人韓国地方観光客急減の予想（１）