【時論】我々には北朝鮮のミサイルに対する防衛手段がない=韓国(1)
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2017.08.07 10:50
「火星-14型」の発射成功は北朝鮮が米国本土を攻撃できる大陸間弾道ミサイル(ICBM)に近付いたということを知らせる瞬間だった。過去27年間、北核交渉にも参加し、政策も立てて北朝鮮を研究した人として深い自己恥辱感を感じる。北朝鮮がICBMを開発する時までいったい我々は何をしてきたのだろうか。韓国は北朝鮮の能力を過小評価して南北関係を優先する傾向がある。北朝鮮の初めての核実験当時、米国の敵対政策のせいで自衛用という立場が韓国の最高指導者の口から出たこともある。韓国は北朝鮮が生き残りのために核兵器を開発していると判断し、解決のためには北朝鮮に生き残りのための環境を作ることが重要だという認識を持ってきた。ところで、北朝鮮体制が生き残るためには「最低限の抑止力」だけを持っていれば良いはずだが、明らかに北朝鮮の最近の動向はそれをはるかに超えている。
北朝鮮のICBM開発は米国の韓国防衛の放棄を誘導する仕組みとなっている。北朝鮮が米本土を攻撃できる能力を備える瞬間、米国は韓国を助けるためにサンフランシスコ・ロサンゼルスをあきらめる覚悟をしなければならない。韓国と米国の安全をつなげる拡張抑制力の信頼性問題が提起される。北朝鮮のICBMによって韓国の安全と米国の間にいわゆる、デカップリング(decoupling)に直面することになった。米本土を脅威する北朝鮮のICBMは韓国にとって悪夢だ。過去65年間、韓国の安全を守ってきた韓米安保態勢のパラダイムの変化を意味する。交渉が行われるといってもICBMを放棄する代価として北朝鮮は核保有を黙認され、米朝平和協定を要求するだろう。韓半島で北朝鮮の核独占が固定される可能性がある。