【コラム】韓国ではなぜ「アルファ碁」が出てこないのか
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2016.03.11 07:38
天才と呼ばれた幼い息子の関心はチェスとポーカーだった。10代になるとビデオゲームの制作に没頭した。韓国の普通の親なら進路を心配するだろう。その息子はケンブリッジ大に入ってコンピューター工学を専攻し、脳科学で博士学位(ロンドン大)を取得した。李世ドル(イ・セドル)九段と対決した「アルファ碁」を開発した英国の人工知能(AI)会社ディープマインドの共同創業者デミス・ハサビス(40)のことだ。ハサビスが2010年に設立したスタートアップ(技術創業企業)ディープマインドは創業4年目にグーグルに渡った。売却代金は4億ポンド(約640億円)。グーグルの全面的な支援を受けたアルファ碁は人間の領域を越え始めた。
ハサビスの経歴を見ると、韓国ではなぜディープマインドのような会社が出てこないのかという疑問を解くことができる。ハサビスが韓国で生まれたとすればプロゲーマーか医者になっていた可能性が高い。韓国の教育システムとベンチャー生態系に問題があるからだ。
ベンチャー業界ではかなり以前から、国内の大企業はスタートアップを正当な価格を支払って買収するより、アイデアを盗もうとすると非難してきた。大企業の立場では国内のスタートアップは高いだけで中身がないと考えるかもしれない。レベルの高いスタートアップが出てくるには優秀な人材が創業をするべきだが、韓国の現実は必ずしもそうではない。米国と韓国のスタートアップに投資した経験があり、ロボアドバイザーのAIMを創業して運営するイ・ジヘ代表はこのように話す。