キム・ソニョン氏（３６）はスポーツマッサージの修了証を得た。手具を回しながら数百回ジャンプをする新体操の特性上、幼い選手たちは筋肉痛と捻挫がつきまとう。練習が終わった後は専門トレーナーにマッサージを受ければ早く疲労回復できるが、やはり費用が問題だ。１カ月に数十万ウォンずつかかる費用を減らすために、キム氏はスポーツマッサージを３カ月間、専門的に学んだ。

母親の力でも足りず、祖母まで加わるケースもある。アン・ヒョヨン氏（６７）は、孫娘チャン・ソヒ（１２）さんを連れて仁川から城南に引っ越した。後でロシアなどの新体操強国へ娘を留学させるためにチャンさんの母親は働いている。

新体操選手と同じぐらい汗を流して苦労する母親たちに、ソン・ヨンジェの金メダルは大きな希望になった。チョ・ヨンドク氏は「娘が好きで新体操をさせたが、めどが立たなかった。ソン・ヨンジェ選手が国際大会で入賞してアジア競技大会で金メダルを獲得したことで光が見えた」と語った。入門３カ月目のパン・ジユンさん（１０）の母イム・ヘギョン氏（３６）は「以前はソン・ヨンジェ選手を非難するインターネットのコメントを見ても無関心だった。ところがいざ娘にさせてみると、ソン選手がしてきた努力が分かる。今は非難世論を聞くと腹が立つ」と話した。

母親たちがみな「第２のソン・ヨンジェ」を望んでいるわけではない。ムン・ミヒ氏（３６）は「１１歳の私の娘は新体操を７年もやった。大きなケガをして３カ月休む中で、体操を止めようか悩んだ。ところが子供がおいおい泣きながら『新体操が本当に好き』だと言って体育館に向かった」としながら「ソン・ヨンジェ選手のように成功することが目標ではない。子供が新体操を通じて幸せならば、それで満足している」と笑った。


ヨンジェのように私たちの娘も…針仕事に精を出す母親たち＝韓国（１）