【噴水台】法王「対話が独り言にならないように…」=韓国
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2014.08.20 14:58
その人が名前を呼んでくれるまでは、そこまで悟ることができなかった。セウォル号事故で、いまだ帰ってこられぬ人たちがいつの間にか「不明者10人」としてまとめられ、私の中で忘れられつつあるという事実を。18日、韓国訪問日程を終えて戻っていったフランシスコ法王は、韓国を離れる前にセウォル号事故の不明者家族に「直接訪ねることができずに申し訳ない」と手紙を出した。「神様、壇園(ダンウォン)高等学校の生徒ナム・ヒョンチョル、パク・ヨンイン、チョ・ウンファ、ファン・ジヒョン、ホ・ダユン、壇園高等学校の教師コ・チャンソク、ヤン・スンジン、一般乗客クォン・ジェグン、イ・ヨンスク、そして7歳のクォン・ヒョッキュが一日も早く親や家族のもとに戻れるように見守ってください」。
フランシスコ法王が韓国に滞在した5日間、何度も涙が突然あふれてきた。法王が忠清北道陰城(チュンチョンブクド・ウムソン)の障がい者福祉施設「コットンネ(花の村)」で撮られた1枚の写真。赤ん坊に近付いて1人ひとりの額に祝福のキスをする法王、ある赤ん坊が「あなたはどちらさまですか?」というような態度で別の所ばかり見ていたという。赤ん坊の無愛想な反応に、周辺の人々が慌てた瞬間、法王が自身の指を赤ん坊の口につけた。写真の中の赤ん坊はおもしろいという表情で法王の指をしゃぶっていて、法王はこれをいとおしい目で見つめる。自分に冷たくする誰かに、どうやったら近付けるだろうか。あ、先に指を差し出せば良いということなのだな。