【時視各角】あきれる韓国外交
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2017.03.21 07:58
先週、飛行機から階段のタラップではなく金色のエスカレーターに乗って降りてくる人を初めて見た。主人公はサウジアラビアのサルマン・ビン・アブドゥルアジズ国王(82)。サルマン国王が1カ月間にわたりマレーシア・インドネシア・モルディブ・ブルネイ・日本・中国などアジア6カ国を訪問するたびにサウジアラビアから空輸してきた移動式のエスカレーターが登場した。それだけではない。サルマン国王のベンツ特殊防弾車両は1台15億ウォン(約1億5000万円)。トランプ米大統領が乗る車より30%ほど高い。ここに随行した皇太子は25人、訪問団は1500人。インドネシア大統領宮での夕食会では車750台の行列が4キロも続いたという。
サウジ国王はほとんど海外に出て行かない。日本は46年、中国は11年ぶりだ。しかし一度出て行けば大金をばらまく。マレーシアでは8兆ウォン、インドネシアでは17兆ウォンの投資の約束をした。中国はなんと28兆ウォンだ。日本では世界最大の企業公開(IPO)となる石油企業アラムコの東京証券取引所上場を約束した。アラムコの企業価値は最大2兆ドル(約226兆円)。これが実現すれば日本には非常に大きな利益となる。
ところがここから韓国は抜けた。韓国は世界でサウジ産原油を4番目に多く輸入する国だ。いわばアジア最大顧客の一つだ。しかしサルマン国王は背を向けた。理由は簡単だ。政治的な不安定。行っても効果がないということだ。我々は藁をもつかむように国王を随行した閣僚10人の一人、ファキーフ経済企画相を日本訪問前に韓国に呼んだ。彼の一言で柳一鎬(ユ・イルホ)経済副首相との会談もセッティングされた。しかし柳副首相が「サウジのメトロ事業に韓国が参加できるようにしてほしい」と述べると、ファキーフ経済企画相は「それを望むなら我々のサウジ国富ファンドに入るべき」と反論したという。投資を誘致するどころか、代わりに来た一人の閣僚から助言を受ける立場になった。