【コラム】トランプのINF廃棄条約破棄は米中新冷戦の信号弾(2)
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2019.08.29 11:02
これまで米国は中国の中短距離ミサイルの脅威に、INF条約が例外と認定してきた海上および空中発射ミサイルで対処してきた。だが海上および空中発射ミサイルは臨時配備にすぎないという点で安定した地上発射ミサイルとは大きな差がある。東アジア地域で軍事危機が発生するたびに米軍が派遣する空母や潜水艦、駆逐艦、あるいは戦略爆撃機などは展開後の撤収が原則だ。1カ所に据え付けるように留め置くことができないためだ。地上発射ミサイルは一度配備すれば永久的、常時的な戦力になれる。東アジアで中国とのミサイル格差を解消するためにはINF条約破棄は避けられないと米国は判断したのだろう。
INF廃棄条約から脱退するやいなや米国は中短距離ミサイル開発と配備に拍車をかけている。米国はINFを脱退してから16日後の18日に射程距離500キロメートルの巡航ミサイル発射実験をした。年内に中短距離弾道および巡航ミサイル生産に着手し、来年からアジア地域への配備を始める計画だ。中国を狙った常時的で永久的なミサイル包囲網を構築して、ミサイル戦力に基盤を置いた中国のA2/AD戦略を粉砕するということだ。今月初めに就任後初の海外歴訪地としてアジアの同盟国を訪れたエスパー米国防長官は地上発射中短距離ミサイルをアジア地域の同盟国やパートナーと協議して配備する計画であることを明確にした。