細菌感染を懸念して金正恩氏が署名に使う万年筆も消毒(1)
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2018.09.12 14:27
MERS(中東呼吸器症候群)患者の発生で保健当局が緊張している。3年前に186人が感染し、うち38人が死亡したトラウマだ。平壌(ピョンヤン)南北首脳会談を控えた青瓦台(チョンワデ、大統領府)と政府の対北朝鮮部処も頭を悩ませている。北朝鮮に200人規模の首脳会談訪問団を派遣する予定だが、MERSという突出変数が登場したからだ。各種感染病に脆弱な北朝鮮当局はかつて過敏反応を見せ、南北当局間の対話や民間交流を中断したりした。今回もMERSが首脳会談の日程に影響を及ぼすのではという懸念の声が出ているのもこうした事情からだ。
6月12日、シンガポール・セントーサ島のカペラホテル。初の米朝首脳会談の合意内容が盛り込まれた共同声明への署名を控えた中、行事場所に北朝鮮の警護員が登場した。白い手袋をした警護員は金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長のテーブルに近づくと、署名用のペンを手に取った。続いて準備してきた布でペンを丁寧に拭いた後、元の位置に戻した。別の警護員は携帯用の噴霧ポンプまで持ってきて金委員長が座る椅子と周辺の床のカーペットを消毒した。こうした場面は4月27日の板門店(パンムンジョム)南北首脳会談でも見られた。板門店の南側「平和の家」に金正恩委員長が到着し、芳名録に署名をする直前、北朝鮮の警護員がテーブルのほか、椅子の背もたれやひじ掛けまで消毒薬をかけて拭いた。北側の要求で韓国側が準備しておいた署名用のペンまでも点検し、布で拭いた。ところが金正恩委員長はこのペンで署名をしなかった。妹の金与正(キム・ヨジョン)労働党第1副部長が渡したペンを使った。会談関係者は「ペンが細菌や危険物質で汚染していたり爆発物などが隠されていないか心配したため」と話した。