【噴水台】自殺
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2011.04.12 17:29
クジラの大量死が時々取り上げられるが、やはり自殺は人間だけの行動のようだ。 生物学者は発達した大脳のためだと話したりする。 大脳皮質がすべての神経を統制する中枢機能をするが、ここにわずかな異常でも生じれば、鬱や激しい感情にとらわれて悲劇的な終末にいたるということだ。 過去ヨーロッパでは教会法や刑法で自殺を禁じたりもした。 自殺を図って死に切れなかった場合は罰が待っていた。 自殺の試みに対する断罪が消え始めたのは1789年のフランス大革命後だ。 英国はヨーロッパで最後となる1961年にこの制度を廃止した。
自殺といえば必ず取り上げられる小説がある。 ゲーテの「若きウェルテルの悩み」だ。 ある春、ウェルテルは法官の娘ロッテに会って恋に落ちる。 しかし彼女にはすでに婚約者がいた。 落胆したウェルテルは故郷を離れる。 また帰ってきた時、ロッテはすでに結婚した後だった。 絶望したウェルテルは拳銃で自殺する。 小説は1774年に出た後すぐに波紋を起こした。 摸倣自殺が相次ぎ、ゲーテ本人が「自殺はいけない」と訴えるほどだった。 1974年、米国社会学者デビッド・フィリップスが摸倣自殺または同調自殺を「ウェルテル効果(Werther effect)」と命名した。
統計庁によると09年の国内自殺者は10万人当たり31人にのぼった。 経済協力開発機構(OECD)標準人口基準に換算すると28.4人とやや減るが、相変わらず最高の自殺率だ。 加盟国の平均(11.2人)の2.5倍で、2位のハンガリーより7.4人も多い。 元大統領、有名タレント、幸福伝道師など著名人の自殺事件が忘れる頃になるとまた発生する。 病気・生活苦・殺人的教育環境までが重なり、一日平均自殺者は35人、年間1万2000人を超えるまでになった。 交通事故による死亡者の約2倍だ。