腐敗はＦＩＦＡのあちこちに広がっていた。起訴されたＦＩＦＡ幹部は過去２０余年間に計１億５０００万ドルの賄賂を受け、独占中継権とマーケティング権を提供した容疑を受けている。２０１８年ロシアＷ杯と２０２２年カタールＷ杯も開催地選定の過程で巨額の賄賂が行き来したという疑惑が提起されてきた。リンチ長官は「起訴された人たちは１９９１年から約２０年間にわたり、その地位を利用してスポーツマーケティング会社にサッカー大会広告権などの対価に賄賂を要求した」とし「大会のたびにそのようにした」と明らかにした。

起訴されたＦＩＦＡ幹部は、２人の現職副会長（ジェフリー・ウェブ、エウヘニオ・フィゲレド）を含めてブラッターの側近だ。ブラッターに照準が合わされる状況だ。米捜査当局が騒がしく動く間、ブラッターは戦列を整える様相だ。ＦＩＦＡ報道官はブラッターの心境について「落ち着いている」と答えた。ブラッターは「サッカー界には不正腐敗が存在する余地がなく、関与した人たちはサッカー界から追放する」という個人の声明を出した。自分は腐敗と関係がないということだ。

ひとまず米捜査当局はブラッターに対する捜査について確認していない。ただ、ある捜査関係者が「ブラッターの運命は今後の捜査にかかっている」と述べただけだ。ニューヨークタイムズはブラッターについて「起訴されるだろうが傷は負わないだろう」という見方を示した。しかし担当検事は「捜査は始まったばかり」と話す。激烈な勝負が予想される。

アディダス、コカコーラ、ＶＩＳＡカード、現代・起亜車、ガスプロムなど独占的マーケティング権限を持つＦＩＦＡパートナーは、今回の事件と距離をおきながら企業イメージに悪影響を及ぼさないか心配していると、フィナンシャルタイムズ（ＦＴ）が２８日報じた。


米司法長官、「ＦＩＦＡマフィア」との戦争を宣言（１）