【コラム】大統領は19世紀の日本の前近代性を込めた表現=韓国(1)
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2012.12.17 15:08
大統領。 漢字通りなら「民を治める最高の首長」だ。 なぜか専制君主のにおいが漂う。 英語Presidentは違う。 語源を見ると、「他の人より前(pre)に座る(sidere)人」という意味だ。 司会をしたり、会議を主宰する人だ。
これが国の最高権力者を指すようになったのは1787年、米国でだ。 当時、憲法制定会議傘下の細部検討委員会が米合衆国の行政首班をPresidentとした。 最初は前に「殿下」というHis Highnessを付けようとしたが、下院の反対でMr. Presidentとなった。
これを大統領と訳したのは19世紀の日本人だ。 将軍が支配する江戸時代末期、日本に選挙で選ばれた国家指導者をいう言葉などあるはずがなかった。 当初は首領、監督、頭目、頭領、棟梁などと翻訳された。 首魁という言葉も使われた。 そして統領という言葉に徐々に収束した。 統領とは元々、富裕層の子弟出身の武士を統率する官職だった。 ここに大国の米国を礼遇するとして大の字を付けた。 これが公式文書に初めて登場したのは1853年、フィルモア大統領の親書翻訳本だ。 韓国の場合、臨時政府がこれを使用しながら定着してきた。 19世紀の日本の時代背景で生まれた言葉を私たちが21世紀にもそのまま使っているのだ。