売上げについての話が出るとユ・ヤンスクさんは言葉が少なくなった。

話題を麻薬キムパプと抜群の相性を誇る“からしソースとタクワン”に変えた。

「以前はいなり寿司の味付けを酸っぱめにしていましたが、腐っているのではないかと誤解されたので酢を抜きました。すると味が物足りなくなったので、からしソースを一緒に出すようにしました。ある日、私がのり巻きをそのソースにつけて食べ、『よし、これでいこう』と言いました。反応も良かったですよ。黄色いタクワンも丁寧に刻んで味付けをしています。大根は少し凍った状態が最高で、反対に完全に溶けてしまうと味が落ちてしまいます。のり巻きを食べる時は汁物も必要で、おでん汁も一緒に売っています」。

物心つくと同時に商売を助けなければならなかったヤンスクさんだが、喜怒哀楽も多かったはずだ。

「食べ物を扱う商売に対する偏見が一番耐え難い。広蔵（クァンジャン）市場で反物商店と飲食業の身分には天地の差がありました。母の代わりにツケのお金を回収しに行ったところ、不当な待遇を受けることもしばしばありました。泣きに泣いたものです。『他のことは知らなくても、この商売だけは絶対にするもんか』と何度も心に決めたものです」。

今はどうかと尋ねると、笑いがはじけた。

「今ですか？事業が安定して口コミも広まり、みんな羨ましがっています。一番下の弟も、以前は恥ずかしいと言って学校の友だちを避けていたものですが、今はこの商売でのお金儲けを生きがいにしています。『外見だけを重視する社会の中で、自分の財布だけが十分ならそれでいい』、これですよ。誠実さで結束した私たちの家族事業、他の道は考えられないです。今は羨ましく思うものは何もありません。年に一度、母の誕生日である５月にホテルバイキングに行くことを除けば、毎日商売をしています。

今、軍隊にいる息子が休みに“アルバイト”した時は、ひいきなしで１時間５０００ウォン（約３４０円）をあげました。他の事業をしたいなら、自分で稼いでやれと言っていますが、できないでしょうね」。

ヤンスクさんに元祖のイ・サンフンさんとのインタビューを何回か頼んだものの、毎回断られた。「のり巻き商売するのが恥ずかしい。それが自慢なのか」と言って、イ・サンフンさんが非常に腹を立てていたと教えてくれた。４日間、長い列に並んで頼み込んだが、頑として断られた。

もしもイ・サンフンさんが商売を始めたその場所を手放すことになったら、いくらで売れるか聞いてみた。

「少なくても何億ウォンの価値はあるでしょうね。『お金になるのはのり巻き商売しかいない』という考えは、母も私も変わりありません」。

“麻薬キムパプ”成功の秘密

-　極秘レシピ：直系家族だけに伝授

-　最高の国産材料を使用：驪州米に当日絞ったゴマ油を使用

-　材料の徹底的な鮮度管理：傷みやすいホウレンソウの代わりにニラを使用

-　家族間の完璧なチームワーク：１男３女が全員“のり巻き人生”

-　規則厳守：毎日午前６時「“１日の始まり”ののり巻きは母が作る」という家道

-　のり巻き単品に“オールイン”：商売がうまくいったらメニューは変えるな


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