金剛山観光4億ドルの行方、誰も把握せず(1)
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2016.02.16 10:50
金剛山(クムガンサン)観光開始から1カ月間ほど過ぎた1999年1月15日午後、マカオのチャイナバンク。バンから降りた北朝鮮のファン・チョル参事がアジア太平和委員会名義の口座から現金を引き出した。100ドル紙幣で2500万ドルだった。100枚ずつ2500束にもなる大金は平壌(ピョンヤン)行きの袋に入れられた。この日から現代は4億ドル以上を観光の代価として北朝鮮に送った。観光客の数に関係なく7年間に計9億4200万ドル(現在の為替レートで1兆1379億ウォン)を支払うことにした一括払い方式の契約に基づいたのだ。
最初の観光船出港の当時は「太陽政策の寵児」という賛辞を受けていた金剛山事業は「北朝鮮への一方的支援」という批判に火をつけた。天文学的な現金が支払われるという点でだ。「民間」を標ぼうしたが、北側事業者であるアジア太平洋平和委員会が労働党対南事業を総括する統一戦線部の傘下機構という点も俎上に載せられた。2006年10月に北朝鮮が最初の核実験をすると、「ドルが核兵器になって返ってきた」という批判が強まった。観光客が急減し、現代は代価支払いを延滞する事態にまでなった。結局、2008年7月に北朝鮮警備兵が韓国人観光客を射殺する事件が発生した直後、金剛山観光は閉鎖された。