【寄稿】アン・ヒョンスの祖国はアイスリンクだ(1)
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2014.02.20 17:04
ここ何日か、ソチ冬季オリンピックの中継を見るのに良く眠れなかったという人が多い。その中でも断然話題はアン・ヒョンス、いやビクトール・アン選手だ。アン選手が決勝点に最初に到着して両腕を突き上げて歓呼する姿、体をうつ伏せにして氷上に口づける姿…。観覧席からは涙でぐしゃぐしゃになった彼の父親とガールフレンドの顔がクローズアップされていた。ロシア国旗が掲揚される時、アン選手は授賞台の最も高いところで胸に手をつけたままロシア国歌を声に出して歌った。りりしく、堂々と。
テレビを見た多くの国民は、気持ちがとても複雑で息苦しかった。私はアン選手が本当にすごいと感じた。授賞台の上のその瞬間は、この8年の歳月の総決算だ。彼の瞳はテレビカメラを正面から凝視していた。クールだった。その冷静さが、私たち国民を粛然とさせた。一方、明るかったイ・サンファ選手は1週間前の授賞台で金メダルを首にかけて愛国歌が演奏される時に涙を流した。すべての国民が共に泣きそうになった。本当に誇らしかった。