朴槿恵（パク・クネ）政権の「文化・芸術界ブラックリスト」（以下、ブラックリスト）が、青瓦台（チョンワデ、大統領府）政務首席室の主導で文化体育観光部が積極的に加担する「共同作業」形態で作成されたという状況が確認されている。朴英洙（パク・ヨンス）特別検察官（６４）のチームは、ブラックリスト作成を青瓦台政務首席室が主導したという関係者の陳述を確保し、当時の青瓦台と文化体育観光部の動きを綿密に調べている。

特検チームの関係者は２７日、「２０１４年に作成された文化界ブラックリストは、青瓦台政務首席室でコントロールして名簿を作り、その後、文化体育観光部に伝えられたという具体的な陳述があった」と述べた。趙允旋（チョ・ユンソン）文化体育観光部長官が当時の政務首席秘書官だった。

これに関連し文化体育観光部の関係者は中央日報との電話で、「２０１４年に青瓦台から『文化・芸術界性向分析』というくだらない名簿が下りてきた。名前だけが記載されていて特に内容もなく、文化体育観光部がどうすればよいのか分からないというと、『逆に作成して上に送れ』という指示があった」と話した。続いて「文化体育観光部が『芸術支援現況』などを青瓦台に報告しながら、支援除外対象者などを分け、その後より整った名簿を直接作成し、青瓦台に送った」と説明した。この関係者は「いくつかの部処に分けてしていた（文化・芸術家）性向把握作業を後に芸術政策官室で統合進行したが、該当部処のＫ局長に左遷性の人事があったのはこの作業に積極的でなかったためと聞いている」と話した。

元文化体育観光部の関係者も電話で「２０１４年初めに青瓦台から下りてきた名簿は広がらずに廃棄され、その後に青瓦台が『文在寅（ムン・ジェイン）支持芸術家』などいくつかの部類を定めて名簿を送り、不足する部分を補充するよう指示した」と似た証言をした。

特検チームはこの日午前、鄭官珠（チョン・グァンジュ）元文化体育観光部第１次官（５２）を召喚した。鄭元次官は２０１４年、青瓦台国民疎通秘書官として勤務した当時、政務首席秘書官だった趙允旋長官の指示を受けてリストを作成した疑いがある。捜査チームは鄭元次官を相手にいつからブラックリストを作成して管理したのか、誰の指示だったのかを調べた。ブラックリストに含まれた文化・芸術界の人物にどんな不利益があったかも捜査した。特検チームはブラックリスト作成容疑者らの電子メールの内容も分析中だ。鄭元次官は職権乱用の容疑者になる可能性がある。

これに先立ち特検チームはブラックリスト疑惑にかかわったキム・ソヨン元青瓦台教育文化秘書官と２０１４年当時に文化体育観光部芸術政策局所属事務官だったＡに非公開で接触した。劉震竜（ユ・ジンリョン）元文化体育観光部長官に対するメディアのインタビューによると、キム元秘書官は青瓦台政務首席秘書室の指示を受けて文化体育観光部でブラックリストを伝えた人物だ。これととともに特検チームは２０１４年に青瓦台教育文化首席秘書官だったモ・チョルミン駐フランス大使（５８）にも召喚に応じるよう通知した。

故金英漢（キム・ヨンハン）前民情首席秘書官のダイアリー（備忘録）にあるブラックリスト関連部分も捜査の対象だ。特検の報道官はこの日、「金英漢元首席秘書官の備忘録の写本を入手した。適法な証拠能力を持つよう措置を取る計画」と述べた。金元首席秘書官の備忘録には、２０１４年１０月２日の会議で金淇春（キム・ギチュン）元大統領秘書室長が「文化・芸術界の左派各種策動に闘争的に対応するべき」と指示したと推定される内容がある。

◆インターポールにチョン・ユラ手配要請

特検チームはこの日、文亨杓（ムン・ヒョンピョ）元保健福祉部長官と洪完善（ホン・ワンソン）元国民年金公団基金運用本部長を呼んで調べた。特検チームによると、洪元本部長は「文元長官の指示を受けて、『サムスン物産－第一毛織合併賛成』に導くことになった」という趣旨で述べた。特検チームは国際刑事警察機構（インターポール）に対し、ドイツにいると推定されるチョン・ユラ容疑者の国際手配（赤手配書発行）を要請した。また「チョン・ユンフェ文書事件」を再捜査するためにチョン・ユンフェ氏を出国禁止にした。