<Mr.ミリタリー>北ICBM発射で米国が岐路に…対北封鎖か、軍事オプションか(2)
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2017.12.01 14:22
北朝鮮の「火星15」発射と核武装切迫段階で時間に追われる米国が出したカードは、対北朝鮮封鎖と軍事オプションだ。このカードも北朝鮮の核武装前の1カ月以内に実現しなければならないというのが条件だ。米国は一次的に対北朝鮮封鎖措置のための行動に入った。より強力で直線的だ。まずトランプ米大統領が中国の習近平国家主席に原油供給を遮断するよう直接要求した。9月の北朝鮮の6回目の核実験以降、中国は北朝鮮に対する油類供給を30%減らした状態だ。北朝鮮への原油供給が中断する場合、2003年以降初めてとなる。習主席がトランプ大統領の要請を受け入れるかどうかは未知数だが、習主席も拒否するのが容易でない。また米国は国連加盟国に北朝鮮との外交関係および貿易を断つよう要請している。このためドイツ政府に北朝鮮駐在大使の撤収を促した。
これとともに米国が考慮している封鎖措置は北朝鮮の海上輸送を遮断することだ。いわゆる海上封鎖だ。米国務省のナウアート報道官は北朝鮮の「火星15」発射直後、「新しい次元の海上輸送遮断があるだろう」と述べた。北朝鮮の海上を封鎖するには、北朝鮮を出入りするすべての船を強制的に検査しなければならない。この過程で韓日米の特殊部隊が投入され、北朝鮮船に乗船する武装要員との武力衝突が避けられない。結局、死傷者が発生するしかない。北朝鮮の武装要員に被害が生じれば、北朝鮮は別の形で挑発する可能性がある。また、海上封鎖のためには韓米海軍艦艇をはじめ、日本海上自衛隊が協力する必要があり、時には中国の協力も必要だ。米国は万が一の事態に備えて米空母勢力をまた韓半島海域に投入する可能性が高い。北朝鮮がこうした全面的な封鎖にどれほど持ちこたえるかは分からないが、深刻な打撃は与えると予想される。
米国は北朝鮮の追加挑発に対する最後の制裁手段として予防的先制打撃も準備してきた。先月、米空母3隻が東海で韓国海軍と連合訓練を実施した。米空母3隻が同時に東海に集結するのは極めて異例だ。また米空軍ステルス爆撃機B-1Bの韓半島展開訓練が数回あった。このうち一部は東海北方限界線(NLL)上に北上して爆撃訓練をした。10月には米原子力潜水艦「ミシガン」が西海(ソヘ、黄海)で韓国海軍と特殊部隊防御・浸透訓練を行った。ここに参加した米軍特殊部隊は2011年にウサマ・ビンラディンを射殺したチームだ。有事の際、北朝鮮に対する斬首作戦を遂行する可能性がある。韓米空軍は4-8日、米ステルス戦闘機F-22、F-35Aなど約240機の戦闘機を動員した連合訓練「ビジラント・エース(Vigilant Ace)」を実施する。過去最大規模だ。キム・ヨルス世宗(セジョン)研究所委員は「米国が今まで実施したすべての訓練を合わせれば先制打撃作戦になる」と述べた。米海兵隊用ステルス垂直離着陸機F-35B(16機)など各種米軍戦闘機は日本の岩国に集結した。したがって米国は軍事作戦の準備をほぼ終えたとみられる。米国の最後の対北朝鮮圧力が始まる兆候が表れているのだ。こうした最後の試みも成果がなければ、韓半島には核競争という新たな局面が始まる。