フォルクスワーゲンが１０月に環境部に出したティグアン車種のリコール（是正欠陥）計画に関連し、環境部がフォルクスワーゲン側に補完を要求することにした。リコール率８５％を達成できる案を要求することを決め、リコール計画の承認が来年に遅れる可能性もある。

環境部のホン・ドンゴン交通環境課長は２９日、「フォルクスワーゲンが出したリコール計画に基づく排ガス・燃費実験結果を国土部とともに分析中であり、３０日にフォルクスワーゲン側に２点の補完を要請する計画」と明らかにした。

環境部が要求するのはまず、燃料圧力に関する技術的資料だ。フォルクスワーゲン側は今回の計画で燃料圧力を高めて噴射システムを変える方式のリコール計画を提示した。燃料圧力は排ガスや燃費など性能と直結する。今回のリコール計画審査の核心は、リコール後にも燃費が顕著に悪化せず排ガスも減らすというものだ。

環境部はフォルクスワーゲン側が燃費を改善する目的で排ガス低減装置を操作したと推定している。フォルクスワーゲン側は操作の理由を明らかにしたことはない。しかし環境部の推定に基づくと、リコール後は燃費が現在より悪化すると予想される。この場合、フォルクスワーゲン自動車所有者の多数がリコールに応じない可能性が高い。

環境部が「リコール率８５％達成案」提示を要求した理由はここにある。韓国でリコール期間は１８カ月と定められている。フォルクスワーゲン車の所有者が積極的にリコールに応じるようにフォルクスワーゲンが自ら「ニンジン」を提供する必要があるという注文だ。

リコール計画が一日も早く承認されることを望むのはフォルクスワーゲンだ。国会環境労働委員会や環境団体では「排ガスを大きく減らすことができる計画でなければ承認すべきでない」という声が多い。

このためフォルクスワーゲンが「リコール率８５％達成案」としていかなるカードを提示するかによって承認されるかどうかが決まるとみられる。