【コラム】韓国、海洋強国への再跳躍に向け新たなガバナンスが必要
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2017.06.12 11:12
1996年に「海洋強国建設」を掲げて海洋水産部が新設された。当時海洋水産部が製作し配布した南半球中心の逆さまになった世界地図の報告を受けた新鮮な衝撃が生々しい。地球の北半球に住む私たちは北側を上と考える習慣を持っている。こうした観点で世界地図を見れば広大な大陸に先に目が行き、韓国は巨大な大陸に踏み付けられた辺境の小さな国のように見えた。だが、逆さまにされた世界地図を見ると韓国の上には広大な海がすがすがしく広がっており、私たちにはこの広い海に出て行けという注文が聞こえるようだった。
三方を海に囲まれた韓国は統一新羅時代の海上王・張保皐(チャン・ボゴ)をはじめとする誇らしい海洋文化の伝統と海洋民族の遺伝子を持っている。こうした伝統を受け継いで現在韓国は世界10位圏の海洋強国の隊列に上っている。解放以降の輸出を基盤とした韓国経済の成長を支えてきたのも海運産業の競争力だった。現在輸出規模世界6位水準に見合うように保有船舶数世界5位、コンテナ物流量世界4位などの実績がこれを証明している。
だが、現在韓国の海洋水産分野は危機状況に置かれている。グローバル低成長基調が続き海運業の物流量が減っている。韓進(ハンジン)海運の破産により輸出入物流量の99.7%が船舶を通じて行われる韓国には深刻な悪材になっている。海運業の厳しい状況は港湾と物流など関連産業の危機にまでつながっている。水産業も同様だ。昨年は中国漁船の違法操業と海水面温度上昇などにより44年ぶりに近海漁業生産量が100万トンを割り込んだ。