核ボタンと平昌の間、金正恩委員長のゲーム

核ボタンと平昌の間、金正恩委員長のゲーム

2018年01月02日07時56分
[ⓒ 中央日報/中央日報日本語版]
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  核を前に出した北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)労働超委員長が「平昌(ピョンチャン)」に言及した。「新年の辞」を通じて平昌冬季オリンピック(五輪)を「民族の地位を誇示する良い契機」と述べた金正恩委員長は「代表団の派遣を含めて必要な措置を取る用意があり、このために南北当局が至急に会うこともできる」と明らかにした。38日後に控えた冬季五輪が冷え込んだ南北関係の「砕氷船」として急浮上したのだ。

  米国に対しては「核ボタン」で威嚇した。金正恩委員長は1日午前、朝鮮中央テレビで30分間放送された「新年の辞」で「米国は決して私と我が国を相手に戦争を仕掛けてくることはできない」と述べた。昨年9月の6回目の核実験と11月の大陸間弾道ミサイル(ICBM)級「火星15」発射などを「歴史的大業の成就」と主張しながらだ。特に金正恩委員長は「米本土全域が我々の核打撃射程圏内になり、核ボタンは私の事務室の机の上に常に置かれている」と強調した。A4用紙10枚分の「新年の辞」に核関連の言葉は22回(昨年は5回)登場した。「金日成(キム・イルソン)・金正日(キム・ジョンイル)」の名前にも触れず、執権7年目の独り立ちを予告した。鄭永泰(チョン・ヨンテ)北朝鮮研究所長は「核武力完成を土台にした自己誇示形態の攻勢的レトリックが目立つ」と述べた。

  金正恩委員長は南北関係に関し、「南朝鮮の執権勢力が変わったが、南北関係で変わったものは何もない」と文在寅(ムン・ジェイン)政権に不満を吐露した。「むしろ米国の対朝鮮敵対政策を追従することで、南北間の不信と対決を激化させた」と主張した。こうした発言は国際社会の対北朝鮮制裁と韓米協調に北朝鮮が深刻なストレスを受けているという傍証だ。安燦一(アン・チャンイル)世界北朝鮮研究センター所長は「対北政策の転換と韓米の協調を分離しようとする策略がある平和攻勢」と解釈した。目を引くのは韓米合同軍事演習の中断を要求した点だ。金正恩委員長を「外国勢力とのすべての核戦争演習をやめるべきだ」と主張した。政府が冬季五輪期間中に軍事演習の延期を考慮すると述べた点に付け入ろうとしたのだ。鄭成長(チョン・ソンジャン)世宗研究所統一戦略研究室長は「北の参加表明で韓米が連合演習延期を近く公式化するだろう」と予想した。

  青瓦台(チョンワデ、大統領府)は北朝鮮の「新年の辞」の7時間後に「歓迎する」という公式立場を表した。昨年7月に文在寅(ムン・ジェイン)大統領がベルリン宣言でした対北朝鮮提案を拒否してきた北朝鮮がうなずいたという点でだ。しかし悩みも多い。対北朝鮮制裁の局面で韓国だけが南北対話にUターンするのは負担だ。冷え込んだ国民の対北朝鮮感情をなだめるのも容易でない。

  金正恩委員長の「新年の辞」が言葉だけで終わることが多かった点も政府には引っかかる。米中央情報局(CIA)は昨年12月初めに「北のICBM完成を防ぐ期限は3カ月」と警告した。北朝鮮が発言通りにしない場合、金正恩委員長の時間稼ぎに巻き込まれたという批判が政府に殺到すると考えられる。金正恩委員長も「新年の辞」で「核弾頭と弾道ロケット(ミサイル)大量生産および実戦配備」に言及した。統一部は「核能力の高度化は続くだろう」と分析した。

  核ボタンを握った金正恩委員長の融和攻勢は挑発の局面より対処がさらに難しい場合もある。金正恩委員長の口よりも動きに注目し、慎重な対北朝鮮戦略を立てるべきだという指摘が多い。
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